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「御息女は、蔡ヨウ様の蔵書の一部を暗誦されるとか」

【98】第二十一章 蔡エン2

2013年1月16日(水)

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【97】第二十一章 蔡エン1から読む)

 董卓は洛陽にいて、思う存分権力を振るっている。その間、董卓に従いたくない軍閥たちが、酸棗(さんそう)からシ(三水/巳)水関を睨んで対峙していたのである。蔡エン(王/炎)が、都人士の噂からそれらを知っていたのに、蔡ヨウ(巛-邑)はこの事実に興味を示さなかった。

 彼は一度、巴(は)郡太守を命じられかけたが、直ぐに撤回されて侍中とされた。

 「孫策殿の呉軍が、南から進攻したので」

 だから董卓が慌てて、蔡ヨウの転勤もなくなった。ただ蔡ヨウは、その理屈が解らない。

 「董太師は、長安遷都をお考えなのです」

 娘の読みに、蔡ヨウは目を丸くする。

 「なぜ、判る?」

 「シ水関では膠着状態です。それを南から攻撃されては、洛陽では持ち堪えられませぬ」

 「おまえ、兵法も勉学したのか?」

 「いえ、洛陽の市で聞き囓ったまでです」

 蔡ヨウは、世間に疎い自分を羞じたが、今更どうしようもなかった。

 それから4、5日経って、董卓が長安遷都を言いだした。まず、皇帝協とそれを取り巻く官僚が護衛とともに出発する。

 蔡ヨウも、妻子を連れていち早く出発した。

 「主上(皇帝の二、三人称)を早くお出しになるのはいいが、董太師もぐずぐずしておられれば、酸棗の軍閥が雪崩れ込んで来よう」

 蔡ヨウは、この期に及んでも暢気なことを言っていた。だが、董卓がしていたのは、洛陽の金満家の屋敷を襲って金品を強奪することや、歴代皇帝の墓を荒らして副葬品を盗む群盗同然の所業だった。

 挙句の果てに洛陽が焼かれる。それは逆賊への焦土策戦と、董卓が説明していた。

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「「御息女は、蔡ヨウ様の蔵書の一部を暗誦されるとか」」の著者

塚本 青史

塚本 青史(つかもと・せいし)

作家

1949年岡山県倉敷市生まれ。同志社大学卒業後、印刷会社に勤務。イラストレーターとしても活躍。日本作家クラブ理事。父、塚本邦雄創刊の歌誌「玲瓏」発行人。近著に『李世民』。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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夢の実現にあたっては強く「念ずる」。そうした心構えを支えにビジネスの世界の荒波を渡ってきました。

後藤 忠治 セントラルスポーツ会長