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「魯家の総領は、人だけは選んではいるな」

【101】第二十二章 魯粛1

2013年1月21日(月)

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【100】第二十一章 蔡エン4から読む)

 「魯家に、あのような虚(うつ)け者が生まれたのは、いったい何の因果かな?」

 徐州、下ヒ(丕/大里)郡、東城県(とうじょう)に住まう人々は、豪族魯氏の長男(魯粛・ろしゅく)を、憚ることなく批判した。

 「先祖伝来の田畑をあっさり売って、事業したいというやつに、その金銭を貸したというではないか」

 「それを、いつ回収できるかも判らないんだろう。全く、付ける薬はないな?」

 「それ、噂をすれば影じゃ」

 長老が言って顎をしゃくる方から、騎馬の一団がやってくる。

 手に手に弓や槍を手にした完全武装の男らは、それでも人々の間はゆっくり手綱を捌(さば)いている。彼らは狩猟からの帰りらしく、鹿や猪などの獲物を従者に運ばせていた。

 「今晩は、宴会になるんだろうな」

 噂していた者どもは、羨ましそうに一行を見送った。すると、今一人がぽつりと言う。

 「魯家の総領は、人だけは選んではいるな」

 「なぜ、そう言える?」

 話し込んでいた連中のほとんどは、魯粛の金遣いだけを問題にしていた。それは詰まるところ、自分たちが金銭的恩恵に与っていないゆえの不満だ。

 「魯家の客人が、東城の街で狼藉を働いたなど、聞いたことがないであろう」

 そう言う彼らの脇を、別の騎馬姿の青年が従者と思しい者らを数十人引き連れて通り過ぎた。どうやら、魯粛の屋敷へ行くらしい。

 「あの御仁は、以前も来たことがあるな」

 「なぜ判る? あれは揚州から来た男だぞ」

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「「魯家の総領は、人だけは選んではいるな」」の著者

塚本 青史

塚本 青史(つかもと・せいし)

作家

1949年岡山県倉敷市生まれ。同志社大学卒業後、印刷会社に勤務。イラストレーターとしても活躍。日本作家クラブ理事。父、塚本邦雄創刊の歌誌「玲瓏」発行人。近著に『李世民』。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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