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「馬邑太守の紹介で来た張遼だ。手合わせしてやれ」

【120】第二十六章 張遼1

2013年2月18日(月)

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【119】第二十五章 甄后4から読む)

 「さっさと立ち退くが、身のためだぞ!」

 倉庫の穀物を盗もうとした賊は、警備の郡吏を甘く見ていた。多少人数が多いので、嵩に掛かって脅せば、相手が逃げると思ったのだ。しかし、予想は大きく外れた。

 武装した張遼は一人で二、三人は相手にできる豪腕で、賊は次々に武器を叩(はた)き落とされて、矛の石突きを腹に喰らって昏倒していった。彼らは捕まって獄に送られる。

 そのような手柄が何度かつづいた頃、彼の上司が申し訳なさそうな態度で、晋陽(山西省・太原)への転勤を打診してくる。

 「并州(へいしゅう・山西省&陝西省北部、内蒙古西部)刺史の丁原様に仕えぬか?」

 そのようすに、張遼は悟るものがあった。

 「我の先祖の一件でしょうか?」

 「うむ、このまま馬邑(ばゆう・山西省)にいては、おまえの一命に関わろうからな」

 問題の先祖とは、聶壱(じょういつ)といった。前漢武帝(劉徹・前156年~前87年)時代の人物である。彼は辺境の馬邑で、匈奴相手に物資を売買する交易業者だった。恐らくは、御禁制の品にも手を着けていた游侠(やくざ)の顔役だったのだろう。

 当時は匈奴の勢いが強く、漢の朝廷は逆に絹や穀物を貢ぎ、公主(こうしゅ・皇帝の娘)を嫁にやる外交を強いられていた。その屈辱的な立場を覆(くつかえ)そうと、武帝は匈奴への積極策に撃って出ようとしていた。

 そんな時流に、将軍の王恢(おうかい)を通じて、策謀を献じたのが聶壱である。彼は匈奴の軍臣(ぐんしん)単于(ぜんう・匈奴の大王)を騙し、馬邑の城門を開けておくので、穀物を略奪に来るよう誘ったのだった。

 前133年、王恢の率いる漢軍がそれを待ち伏せ、一気に殲滅(せんめつ)する策戦だった。ところが当日、周囲のようすに不審を抱いた軍臣単于に悟られ、戦略は頓挫する。
 
 それが世に、『馬邑の役』といわれる事件である。結果、武帝は匈奴から姑息だと嘲られ、勅勘に触れた王恢は処刑された。一方、聶壱は匈奴から付け狙われることになり、一族は姓を変えて逃げねばならなくなった。

コメント1件コメント/レビュー

いつも楽しみに読んでおります。いよいよ張遼の登場ですね。張来!来!(2013/02/18)

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「「馬邑太守の紹介で来た張遼だ。手合わせしてやれ」」の著者

塚本 青史

塚本 青史(つかもと・せいし)

作家

1949年岡山県倉敷市生まれ。同志社大学卒業後、印刷会社に勤務。イラストレーターとしても活躍。日本作家クラブ理事。父、塚本邦雄創刊の歌誌「玲瓏」発行人。近著に『李世民』。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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