• ビジネス
  • IT
  • テクノロジー
  • 医療
  • 建設・不動産
  • TRENDY
  • WOMAN
  • ショッピング
  • 転職
  • ナショジオ
  • 日経電子版
  • 日経BP

「女が戦えぬと言ったのは、男どもが持ち場を喪いかねぬからじゃ」

【131】第二十八章 孫尚香2

2013年3月5日(火)

  • TalknoteTalknote
  • チャットワークチャットワーク
  • Facebook messengerFacebook messenger
  • PocketPocket
  • YammerYammer

※ 灰色文字になっているものは会員限定機能となります

無料会員登録

close

【130】第二十八章 孫尚香1から読む)

 孫策の葬儀がすみ、孫権が一族を率いることになる。すると、孫尚香は異母とはいえ当主の妹で、皆の扱いが微妙に変わってくる。

 今までは、だれかの弓や矢を磨いていた。だが、以降は彼女自身の物が与えられた。

 「好きなように使え。ただし、自身も仲間も傷つけてはならぬ」

 「はい、武器を向けるのは、呉の敵へです」

 まだ、ようやく10歳になりかけた少女は、このように応えて弓の練習に励みだした。

 「なかなか、上手いではないか」

 的に当たる割合では、たちまち異母兄たちを追い抜いている。だが、彼女は末の弟朗よりも6歳年少なのだ。そう思うと、空恐ろしい腕の冴えである。

 「曹操が攻めてきたら、わたくしも一緒に戦わせてください」

 ようやく思春期に達しかけている少女の思いに、孫権は苦笑いするしかなかった。それはこの頃、曹操に臣従するかどうかの議論が喧(かまびす)しかったからだ。

 「そのときは、頼むぞ!」

 孫権は、本気とも冗談とも取れる態度で、孫尚香に笑いかけた。

 孫策が暗殺された建安5年(200年)、曹操は官渡の戦いで袁紹を降し、河北の平定をつづけ、南西の荊州侵攻も狙っていた。

 それから5年ばかり経ち、荊州でも、その動きを察知して、袁紹軍から合流してきた劉備から情報を仕入れている。しかし、牧の劉表の建康が懸念されている。そうなると跡目相続で揉めるため、ますます曹操が有利だ。

 「荊州牧殿は、呉へ共同戦線を張りたいと、提案に参りませぬか?」

 孫尚香も、そのような事態を予想した。

 「父を殺した黄祖は、荊州の部将だぞ」

 孫権は、つい大声を出した。

「サテライト「三国志」群像」のバックナンバー

一覧

「「女が戦えぬと言ったのは、男どもが持ち場を喪いかねぬからじゃ」」の著者

塚本 青史

塚本 青史(つかもと・せいし)

作家

1949年岡山県倉敷市生まれ。同志社大学卒業後、印刷会社に勤務。イラストレーターとしても活躍。日本作家クラブ理事。父、塚本邦雄創刊の歌誌「玲瓏」発行人。近著に『李世民』。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

日経ビジネスオンラインのトップページへ

記事のレビュー・コメント

いただいたコメント

ビジネストレンド

ビジネストレンド一覧

閉じる

いいねして最新記事をチェック

閉じる

日経ビジネスオンライン

広告をスキップ

名言~日経ビジネス語録

(マンションの即日完売という)異常な状況が、普通のところに戻ってきたのです。

沓掛 英二 野村不動産ホールディングス社長