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「皆涼州の出身だ。どうせ長安を通るのだ」

【137】第二十九章 賈ク3

2013年3月13日(水)

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【136】第二十九章 賈ク2から読む)

 「あんなやつを養子にするなど、親父殿に見る目がなかったのだ」

 皇帝協を長安へ連れてきてからの董卓は、洛陽にいたとき以上に異常な暴君振りを発揮した。

 賈クは、権力を掌握した人間の凄まじさを見る思いだった。当然ながら怨嗟の感情が、庶民にも官僚たちにも渦巻ていた。

 状況を思えば、董卓の暗殺はあり得ぬことではなかった。しかし、実行したのが呂布と聞こえてきて、誰もが彼の実利に釣られた心変わりと思った。

 董卓の所へ走ったのも、良い待遇に目が眩んで、養父たる丁原の首を持参したと噂されていたからだ。

 「やつを抱きこんだのは、王允(おういん)だというぞ。大尉の位を餌にしたのだな」

 董卓子飼いの部将たちが、この知らせを聞いたのは、陝(せん)の砦であった。問題は、長安城内で王允が皇帝協をいただいていることだ。

 つまり、このまま抵抗すれば、牛輔を筆頭に、董卓子飼いの部将らは逆賊の汚名を着ることになるのだ。

 「速やかに投降なされよ」

 陜の砦へそのように言ってきたのは、李粛なる連隊長である。だが牛輔は、彼が呂布側に付いたことを、城門の上から罵倒する。

 「おまえ、どの面下げてここへ来た? あんな女同士の愛しか知らぬ女に惚れたとて、どう足掻(あが)いても詮ないことだぞ」

 牛輔に何かを素っ破抜かれたのか、李粛は顔を赧らめて戻っていった。それ以後、長安側からの勧告がないので、賈クは特赦の要求を何度かしたが却下された。

 「投降すれば処刑されるやもしれぬ。さりとて、逆賊の汚名を着るくらいなら、ここで軍を解散して故郷へかえるしかなかろう」

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「「皆涼州の出身だ。どうせ長安を通るのだ」」の著者

塚本 青史

塚本 青史(つかもと・せいし)

作家

1949年岡山県倉敷市生まれ。同志社大学卒業後、印刷会社に勤務。イラストレーターとしても活躍。日本作家クラブ理事。父、塚本邦雄創刊の歌誌「玲瓏」発行人。近著に『李世民』。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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