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「袁紹軍には人の和がございませぬ」

【138】第二十九章 賈ク4

2013年3月14日(木)

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【137】第二十九章 賈ク3から読む)

 袁紹は、張繍が曹操と戦っているとき、手を拱(こまね)いていたわけではない。張繍方に自軍へ来るよう、大いに誘いかけはしていたのである。だが、それを賈クは断っていた。結果的に彼の炯眼が称賛されているが、袁紹の器を見切っていたのか、以前から確執があったのか、端から性格を嫌っていたのかは判らない。

 張繍と曹操とは、最近まで深い敵同士だったが、それを抑えて味方になった。それゆえに、賈クは余程の勝算があったのだろう。それとも計り知れない頭脳の冴えで、伸るか反るかの大勝負に出たのかもしれない。

 一方の曹操も、親衛隊長(典韋)や愛馬だけでなく、長男(曹昂)まで張繍に殺害されている。それを棚上げしてまで自陣へ引き入れるのであるから、深い怨みを通り越した別の大きな野望があったと見るべきだろう。

 それは、取りも直さず袁紹の打倒だ。

 賈クも張繍も、とにかく曹操方についた。ここで、賈クは懐かしい顔に出会った。それは呂布とともに長安を追われた張遼だった。かつては董卓のもとで、同じ釜の飯を喰った仲だが、周り回って曹操の部下として、また同じ陣営で働くことになったのだ。

 ここは総てを水に流して、袁紹に対抗するため、誰もが協力し合わねばならなかった。

 曹操の奇策はそれぞれに効を奏したが、何しろ相手が大軍だった。だから、囲まれて兵糧攻めにされると辛い。そこで、曹操側は霹靂車(へきれきしゃ・石投機)を創(つく)って対抗したが、まだ充分な策ではない。

 「袁紹軍には人の和がございませぬ。今に内部から瓦解いたします」

 賈クは、袁紹軍の幹部たちの息が合わないことを知っていた。だから、必ず裏切りがあると読んでいたのだ。それは当たり、まず許攸(きょゆう)が投降してきた。

 「袁紹軍は、烏巣に食糧を備蓄しておりますが、守備が手薄です」

 この情報を疑う向きもあったが、賈クと荀攸(じゅんゆう)は支持した。曹操は兵五千を率いてそれを討ち、食糧を奪って残った兵糧を焼いた。これには、包囲している袁紹軍が困った。

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「「袁紹軍には人の和がございませぬ」」の著者

塚本 青史

塚本 青史(つかもと・せいし)

作家

1949年岡山県倉敷市生まれ。同志社大学卒業後、印刷会社に勤務。イラストレーターとしても活躍。日本作家クラブ理事。父、塚本邦雄創刊の歌誌「玲瓏」発行人。近著に『李世民』。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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