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「蜀軍は、三手に分かれて攻めてきます」

【141】第三十章 孟獲2

2013年3月19日(火)

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【140】第三十章 孟獲1から読む)

 孟獲は斥候役を呼んで、諸葛亮の位置関係とそこまでの戦果を報告させた。

 「成都を出発して、もう越スイ(山/雋)に侵るところでしょう」

 「そうか。まずここで高定の抵抗に遭うな」

 孟獲がにやっと嗤(わら)うのは、高定が反乱の先駆けだった雍ガイ(門/豈)を殺害して意気が上がっているからだ。

 今回の反乱は、蜀の太守をはじめとした役人の横暴に端を発している。だから、事は中南全体の問題として訴えねばならない。

 ところが雍ガイは、益州郡だけの不満を代弁したまでと言ったため、越スイ郡の高定と真っ向からぶつかり、討たれたのだ。

 不満を託(かこ)つ高定は、同じ視野に立つ孟獲に声をかけた。それは、中南全体の利害という共通項を見出したからである。

 「蜀軍は、三手に分かれて攻めてきます」

 「東軍は馬忠ってえ将軍で、ショウ(爿/羊)カ(爿/可)郡に侵って太守の朱褒(しゅほう)を討ち取ったそうです」

 「あんなやつ、こっちは端から頼りにもしてねえ。俺たち土着の民に迎合して、反乱を起こした振りをしてただけだからな」

 孟獲は、乾いた脣の皮を囓(かじ)り取って、ぷっと吐き出した。

 「それと、蜀の中央軍は将軍の李恢(りかい)で、こっちはもともと雍ガイがいた益州郡を突破しそうでやす」

 そこまで聞いて孟獲は、また強く縮れた髭を扱(しご)いた。

 「蜀の捕虜どもは、よく訓練が行き届いているのか?」

 「そこは、任せておくんなせい」

 部下の応えに、孟獲はにやっと嗤う。

 「諸葛亮ってやつが、どれだけおつむが良いのか知らねえが、肝を潰さなきゃお慰みだ」

 孟獲はそう言うと、シン(三水/真)池から少し南西へ離れることにした。

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「「蜀軍は、三手に分かれて攻めてきます」」の著者

塚本 青史

塚本 青史(つかもと・せいし)

作家

1949年岡山県倉敷市生まれ。同志社大学卒業後、印刷会社に勤務。イラストレーターとしても活躍。日本作家クラブ理事。父、塚本邦雄創刊の歌誌「玲瓏」発行人。近著に『李世民』。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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