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「かつての肉刑を復活させればいかがかと」

【152】第三十二章 鍾ヨウ4

2013年4月4日(木)

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【151】第三十二章 鍾ヨウ3から読む)

 関中の韓遂や馬超と友好を保つことが、鍾ヨウ(瑤の旁/系)の一番大きな仕事だった。それゆえに、彼らを関中から追い出す荒事は、賈ク(言/羽)が担当した。

 鍾ヨウが賈クに策を問うと、一気に攻めるより、彼らの仲間割れを誘うと言う。一旦は曹操に潼関まで侵攻させて衝突させ、和平協定を結ばせる過程で、韓遂と2人だけで懇談させるつもりらしい。

 鍾ヨウは賈クの策を褒め、これで関中へ出向くことはないと思った。つまり、韓遂や馬超の性格から、成功すると踏んだのだ。

 彼はそれよりも、曹操がギョウ(業/大里)に建設した銅雀台を中心とした魏国を、いかに朝廷へ認めさせるかに腐心していた。

 こちらから強く迫れば、皇帝協が拒めるはずはない。だが、そこはできるだけ穏やかにせねばなるまい。そのためには、静かな圧力が必要だ。そこで、彼は一計を案じた。

 「世に凶悪な犯罪が増えますが、その発生を事前に防ぎたく存じます」

 鍾ヨウはそのような提案を、宮中へ持ち込んだ。ほとんどのことは曹操が決めるのに、この事案のみ、なぜ皇帝協へ直訴するのか、このとき宮廷人は訝(いぶか)しんだ。

 「曹公と相談なされたことか?」

 「いいえ、こればかりは、まずは主上のお耳に入れねばならぬと存じまして」

 取って付けたような口上に、皇帝協だけでなく宮廷人たちも小首を傾げる。

 「さて、それは、どのような?」

 「はい、凶悪犯罪の根を断つには、かつての肉刑を復活させればいかがかと存じまして」

 この一言に、宮廷人はざわめいた。肉刑とは肉体を傷つける刑罰である。手や足、鼻を削ぐものを一般的には言う。かつては一般的だったが、無実や改心した場合に取り返しが着かないと、前漢の文帝(劉恒・在位前180年~前157年)が廃止したものだ。

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「「かつての肉刑を復活させればいかがかと」」の著者

塚本 青史

塚本 青史(つかもと・せいし)

作家

1949年岡山県倉敷市生まれ。同志社大学卒業後、印刷会社に勤務。イラストレーターとしても活躍。日本作家クラブ理事。父、塚本邦雄創刊の歌誌「玲瓏」発行人。近著に『李世民』。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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