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「主上を驚かそうと儀式の指示をしておいでなのでしょう」

【156】第三十三章 献帝(劉協)3

2013年4月10日(水)

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【155】第三十三章 献帝(劉協)2から読む

 官渡の戦いの最中、皇帝協は許に籠もっていた。どちらが勝とうが、自分の立場は変わらないと思っていた。後は、どの程度の待遇をされるかである。

 「袁閣下(紹)と曹公では、お人柄が全く違います。主上へのお気持も、そこにきっと」

 表れると言うのは、荀イク(或+ノノ)荀イク(或+ノノ)である。曹操に派遣されて許都(きょと)に詰めている男は、どのような時にも皇帝に対する敬意を、決して忘れなかった。

 「それで、曹公は袁殿に勝ちそうか?」

 「勝負は時の運とはいえ、曹公に勝っていただかねば、主上も我も困ります。それは、漢の御代のためでもございます」

 荀イクの言葉には、常に漢という言葉が付いていたように、皇帝協は感じていた。曹操が一度、袁紹の軍勢の多さに弱音を吐きそうになったとき、荀イクは発破をかけていた。

 「退却など、絶対に考えてはなりませぬ。一旦、中原へ袁紹を入れれば、後は雪崩を打つように負けてしまいますぞ」

 荀イクに厳しく言われ、曹操は官渡の砦で踏ん張ったといえる。つまり、苦戦はしたが袁家を滅亡させて、中原と河北を制圧したのである。

 これは、曹操だけでなく、皇帝協の地位も安泰にした。かつての長安政権のごとく、連日李カク(確/石偏を人偏)と郭シ(三水偏/己)が、皇居とされた館の前で部下を戦わせていた状況とは、正に雲泥の差である。

 だが、不安もあった。

 このまま行けば、後継者争いが浮上している荊州も、ほどなく曹操に制圧される。その勢いで江南の呉や、益州(蜀)の劉璋、また関中(長安のある渭水盆地)の韓遂や馬騰、馬超親子を従えれば、天下は曹操のものになろう。

 皇帝協は心配の権化のごとく、先々を考えていた。すると、それを見越したように荀イクが言う。

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「「主上を驚かそうと儀式の指示をしておいでなのでしょう」」の著者

塚本 青史

塚本 青史(つかもと・せいし)

作家

1949年岡山県倉敷市生まれ。同志社大学卒業後、印刷会社に勤務。イラストレーターとしても活躍。日本作家クラブ理事。父、塚本邦雄創刊の歌誌「玲瓏」発行人。近著に『李世民』。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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