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「末永くお慈しみくださいませ」

【157】第三十三章 献帝(劉協)4

2013年4月11日(木)

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【156】第三十三章 献帝(劉協)3から読む

 荀イク(或+ノノ)が自害した。そんな噂が聞こえてきた。

「本当のことか?」

 訊きながら、なんとなく荀イクの気持が判ったような気がした。しかし皇帝協は、それを認めるのが怖かった。

 最近、呉が都を呉(蘇州)から建業へと移した。益州(蜀)を制圧した劉備のもとへ、関中(長安のある渭水盆地)から漢中(益州北部)へ入った馬超が身を寄せている。

 これまでの情勢を観察すれば、ゆくゆくは三国鼎立の状態に移行していくようだ。こうなれば、漢帝国内に三つの地方国ができて争うことになる。このようなとき、皇帝は止めねばならない。

 だが、皇帝協は、自分にそのような実力がないことぐらい、百も承知である。ここでもっと大きくなるのは、漢帝国の形骸化であろう。『無用の長物』の一語である。

 そして皇帝協が忘れもせぬ、建安19年(214年)の秋」がくる。

 その日、曹操の兵が伏(ふく)皇后を捕えるため、宮廷へやってきた。

「廷尉府で取り調べます。同道なされたく」

「いったい、どのような罪状でしょう?」

「国家転覆罪です。大人しくなされよ」

 彼女は、皇帝協をを見つめて、助けを乞う表情をしていた。だが、叶わぬことだった。

「朕とて、いつまで保つ命か判らぬ」

 皇帝協は無表情だったが、そのように応えていた。

 彼女が檻車に乗せられて許都を去ると、皇帝協は茫然としていた。そのとき、宮廷人の一人が耳打ちする。

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「「末永くお慈しみくださいませ」」の著者

塚本 青史

塚本 青史(つかもと・せいし)

作家

1949年岡山県倉敷市生まれ。同志社大学卒業後、印刷会社に勤務。イラストレーターとしても活躍。日本作家クラブ理事。父、塚本邦雄創刊の歌誌「玲瓏」発行人。近著に『李世民』。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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ジェニー・ダロック 米ピーター・F・ドラッカー伊藤雅俊経営大学院学長