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「遼東郡をしっかりさせるのは我しかおらぬようだな」

【161】第三十四章 公孫淵3

2013年4月17日(水)

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【160】第三十四章 公孫淵2から読む)

 「曹操が病死して、曹丕が漢の皇帝から禅譲を受けて魏帝国を興しましたぞ」

 公孫淵は、最近の情勢を叔父太守(公孫恭)と話していた。そこには、若干の侮(あなど)りが透けて見える。

 「そうだ。曹公は、長子相続させておいて正解だった。袁紹や劉表はそれを怠ったため、一族滅亡の憂き目を見たのだ。だから儂は、おまえの兄(晃)を、洛陽に出して官僚の見習いをさせておるのだ」

 中央の政に慣れておけば、将来太守として立つ者の血や骨になる。公孫恭はそう言って、腕っ節ばかりで知識のない甥(淵)を牽制しているつもりだった。

だが、公孫淵は黙って聞いてはいない。

 「劉備も皇帝になり、呉へ攻め込んで撃退され、白帝城で崩じましたな」

 「ああ、跡目は長子の劉禅が継いだぞ」

 公孫恭は、ここでも長男優先の社会通念を持ちだした。

 「この分では、呉の孫権もおっつけ皇帝を宣言しましょうな。このまま三国鼎立になれば、将来どこが天下を抑えるか判りませぬ」

 公孫淵は、ずけずけものを言う。

 「これ、そのようなことを申しては、洛陽にいる兄(晃)が、迷惑しよう!」

 叔父(公孫恭)は叱責するが、甥(公孫淵)は全く動じない。

 「我も何人か子を成しており、遼東の興亡には関心がございます。ここを遼東郡として太守で留まるか、遼東国として王になるかは、今後の思案でございます」

この一言に、公孫恭は背筋を寒くさせた。かといって、彼は血を見るのが嫌いな質で、甥を反逆予備罪で捕らえるような、無体なことはできなかった。

 「待て、最近は我が楽浪(らくろう)、帯方(たいほう・楽浪とともに北朝鮮の西側。当時は遼東郡に含まれた)の彼方、馬韓(ばかん)や弁韓(べんかん)を通って倭国の使者までやって来るようになったのだ。彼らを洛陽へ送って、後々中間利益をいただけば、遼東郡はもっと栄えて裕福になるのだぞ」

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「「遼東郡をしっかりさせるのは我しかおらぬようだな」」の著者

塚本 青史

塚本 青史(つかもと・せいし)

作家

1949年岡山県倉敷市生まれ。同志社大学卒業後、印刷会社に勤務。イラストレーターとしても活躍。日本作家クラブ理事。父、塚本邦雄創刊の歌誌「玲瓏」発行人。近著に『李世民』。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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