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「倭国の使いなる者が通行許可を欲しいと言っております」

【162】第三十四章 公孫淵4

2013年4月18日(木)

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【161】第三十四章 公孫淵3から読む)

 「倭国の使いなる者が、洛陽まで行きたいので通行許可を欲しいと言っておりますが」

 馬韓や弁韓の海の彼方、倭なる国があるとは聞いていた。だが、そのような遠くから、なにゆえ魏と誼(よしみ)を通じたいのか、公孫淵は不思議に思った。

 「この遼東太守に朝貢した方が、後々為になると教えてやれ」

 公孫淵に命じられた部下は、倭国の使者を通さなかった。彼らこそ、邪馬台国が発した一員だったようだ。

 「通行させてやって、倭国と魏の双方へ恩を売ってはいかがでしょう」

 側近の衛演(えいえん)は、そのような実利主義を言うが、公孫淵はその先を見ている。

 「しばらく、倭国を焦(じ)らすのよォ。もし、魏が蜀と呉に破れれば実態を見せてやればいいし、勝てば勝ったで、通してやれば、こちらのありがたみも判ろう」

 公孫淵の言葉に、参謀級を自任する王建(おうけん)は、公孫淵に迎合する。

 「確かに、そのとおりです。魏の皇帝叡は、太守の就任祝いに『揚烈(ようれつ)将軍』の称号を贈ってきましたが、どこまで我らを大事にしてくれるか判りませぬからな」

 「そうだ。ここで魏の地方官として大人しくしてれば、蔑(ないがし)ろにされよう」

 公孫淵は、自己の存在感を示したいのだ。そうせねば、袁熙や袁尚のごとく、首を刎ねられるという不安感に苛(さいな)まされる。

 おりしも蜀の諸葛亮は、三度四度と北伐を繰り返していた。それを関中に迎え撃つ魏将は、司馬懿(しばい)である。彼は蜀軍と戦うが、名将張ゴウ(合/大里)を喪うなどして、戦績があがっていない。

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「「倭国の使いなる者が通行許可を欲しいと言っております」」の著者

塚本 青史

塚本 青史(つかもと・せいし)

作家

1949年岡山県倉敷市生まれ。同志社大学卒業後、印刷会社に勤務。イラストレーターとしても活躍。日本作家クラブ理事。父、塚本邦雄創刊の歌誌「玲瓏」発行人。近著に『李世民』。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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