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実はあの話題の大著は「手書き」だったのです

『昨日までの世界 文明の源流と人類の未来』/『ピダハン 「言語本能」を超える文化と世界観』

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2013年3月13日(水)

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【私が編集した本読んで下さい!】

『昨日までの世界 文明の源流と人類の未来()』担当:日本経済新聞出版社 金東洋

『昨日までの世界 文明の源流と人類の未来()』ジャレド・ダイアモンド著、倉骨彰訳、日本経済新聞出版社

 『銃・病原菌・鉄』で世界的に有名なジャレド・ダイアモンド博士の最新作です。発売していきなり増刷、たちまち10万部突破! ありがとうございます。

 本書のテーマを大ざっぱに言ってしまえば、「国家や言語が発明される以前の社会、また農耕生活を営む以前の人類は、どういう生活をしてきたのか? そこから、私たちは何を学ぶことができるのか?」です。

 私たちは、教科書で習う「歴史」を「人類の歴史」の範囲と捉えがちです。しかし、教科書で主に扱われるのは、狩猟採集生活から農耕生活に移行した1万1000年前以降であり、さらに深く扱われるのは5400年前ごろとされる国家成立以降だけなのです。

 ほとんどの日本史の教科書は縄文時代に関する漠然とした記述から始まり、飛鳥時代、奈良時代あたりから詳しい解説が始まるのではないでしょうか。縄文時代から前の話は「考古学」の分野と考えられ、歴史の授業で教わることはなかったのでは? かくいう私も、縄文時代よりも前の世界について、これまでほとんど考えたこともありませんでしたし、「現代とは無関係の遠い昔の話」だと思っていました。

 しかし、600万年とされる人類の進化の歴史から考えてみれば、この教科書的な「歴史」の範囲はとても短いのです。人類は、600万年前にチンパンジーとの共通の祖先と分かれ、長い長い時間を国家も農耕も牧畜も文字もない世界で暮らしてきました。そして、1万1000年前以降に、やっと「農耕」という「現代的な生活」の一部分が出現したのです。

 つまり、今日の「現代的な生活」をしてきた時間よりも、「昨日までの世界」で暮らしてきた時間のほうがずっと長いのです。「われわれ人間は、伝統的な生活様式のなかで形づくられ、いまある姿になっていった」とダイアモンド博士は述べています。ニューギニア高地人など、世界各地に残る伝統的社会を研究することは、かつての人類社会の一形態を知り、工業化社会に暮らす私たちが忘れてしまった多様性を知ることでもあるのです。

なぜ「伝統的社会」を知る必要があるのか?

 「伝統的社会の研究などわざわざしなくても、現代社会の研究をすれば人間社会の理解は深まるのでは?」そんな疑問に対して、ダイアモンド博士は興味深い事例を出しています。それは2008年の1年間に一流の心理学会誌に掲載された論文をサンプル抽出し、被験者を調査した結果です。なんと被験者のうちの96パーセントが、西洋工業諸国(北米、ヨーロッパ、オーストラリア、ニュージーランド、イスラエル)出身であり、68パーセントはアメリカ出身で、80パーセントは心理学講座に受講登録していた大学生だったのです(!)。

 つまり、心理学を受講するような、まったく代表的ではない人々を取り出してきて、色々な実験や調査を行った結果を、さも人類の平均値であるかのように私たちは捉えているのです。

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