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日本外交の表と裏を、中曽根康弘元首相に全部聞く

『中曽根康弘が語る戦後日本外交』/『日中国交正常化』服部龍二 中公新書

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2013年4月3日(水)

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中曽根康弘が語る戦後日本外交
担当 新潮社学芸出版部新潮選書編集部 庄司一郎

中曽根康弘が語る戦後日本外交
担当:新潮社学芸出版部新潮選書編集部 庄司一郎

 「さて、今日はなんの話からですか。そうか、佐藤政権時代の途中まで行ったのか。それでは、皆さん、お手柔らかにお願いしますよ」

 90歳を超える年齢をまったく感じさせない張りのある声が、広い応接間に響きます。声の主は、第71代から第73代の内閣総理大臣をつとめた中曽根康弘氏。そして、その中曽根氏を、一まわり二まわりどころか、四まわり五まわりほど若い外交史研究者たちが囲んで、2週間に1回、2時間のインタビューが始まります。

29回のインタビューを重ねて

 ここは、戦後政治の様々な舞台になった砂防会館の4階。あらかじめ用意された質問表と年表を片手に、日本外交について終戦から今に至るまでを、順番に話して頂きました。気鋭の外交史研究者7名が集まり、夏は軽井沢の中曽根氏の別荘にお邪魔して、集中的に聞き書きを行い、砂防会館から事務所を移された後は、そちらにインタビューの場を移しました。当初は15回程度の予定だったのですが、聞かねばならぬことが増え、結局、計29回・56時間、期間も2009年から三年越しのインタビューとなってしまいました。

 本書の「おわりに」でインタビュアーの一人、中島琢磨・龍谷大学准教授が語っているように、中曽根氏は、日本外交史の中で、二つの意味において重要かつ稀な存在です。

 まず第一に、1947年の初当選以来、国会議員として、半世紀以上にわたり、外交や安全保障の問題に一貫して活発に取り組んできた点。つまり、中曽根氏は、日本が敗れ終戦をむかえてから現在に至るまでのすべてを見てきた、戦後史の「生き字引」といえます。

 第二に、戦後史における中曽根氏という存在の大きさがあります。どんな政治家にも、日本のあり方、外交についての持論はあるでしょう。しかし、中曽根氏は、外交に関する自らのさまざまな構想を、首相として実行に移すことのできた稀有な政治家です。そして、それが可能だったのは、約5年にわたる長期政権を実現し、内政に力を傾注しながらも、官邸主導の外交を安定して実行し続けることができたからです。

 したがって、中曽根氏の長年にわたる外交活動を体系的にたどり、口述記録として残すことは外交史上、大変意義のあることです。

 本プロジェクトで特筆すべき点は、新しく公開された外務省文書や、中曽根事務所で長年保管されてきた資料を活用したことです。日中外交、東南アジア外交、日米安保など、各研究者の専門分野でのトピックス、最新の資料が次々と提示されたので、中曽根氏も「自分の言動が記録に残ることを全く気にかけずやってきましたが、資料にそんなことが載っているのか。ん~」と言葉につまってしまうことも。こんな、若い研究者と中曽根氏とのやりとりも読みどころです。

外務省・米国メジャー連合軍と戦う

 私個人にとっても、感慨深く聞かせて頂いた話がありました。子供の頃、アラビア石油に勤める父の仕事の都合で、サウジアラビア東岸、ペルシャ湾(アラブはこの呼称を好みません。彼らにとって、この湾は「アラビア湾」です)の油田地帯に位置するカフジという小さな町に住んでいたので、オイルショックの時に通産大臣だった中曽根氏が、メジャーの意見を代弁するアメリカ政府に従おうとする外務省を相手に丁々発止とやりあったことや、石油を手に入れるために御苦労されたエピソードには興味津々でした。

 「暴虎馮河」。中曽根氏は、当時の自分や通商産業省をこう評しますが、世界経済を支配するメジャーに立ち向かい、独自の資源外交を展開しようとしたことは、虎を素手で倒そうとし大河を歩いて渡ろうとするような無謀な試みだったと、オイル・ショックの頃を振り返ります。

 中曽根氏が首相退任後も、湾岸危機の人質解放のためイラクに飛び、サダム・フセインと会談に臨んだエピソードは、思わず聞き入ってしまいました。

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