• BPnet
  • ビジネス
  • IT
  • テクノロジー
  • 医療
  • 建設・不動産
  • TRENDY
  • WOMAN
  • ショッピング
  • 転職
  • ナショジオ
  • 日経電子版

「それは飽くまでも曹操が勝つという前提だろう?」

【181】第三十九章 費イ(示/韋)1

2013年5月20日(月)

  • TalknoteTalknote
  • チャットワークチャットワーク
  • Facebook messengerFacebook messenger
  • PocketPocket
  • YammerYammer

※ 灰色文字になっているものは会員限定機能となります

無料会員登録

close

【180】第三十八章 曹爽5から読む)

 「男子たるもの。両親を亡くしても、心しっかり生きねばなるまい」

 「はい、世間の荒波に負けず」

 費イ(示/韋)が応えるのを、義父の費伯仁(ひはくじん)は頼もしく聞いていた。

 「だがな、この江夏郡(こうかぐん・湖北省東部)ボウ(繩の旁/大里)県(武漢市)にも、荒波ではなく海嘯(かいしょう・杭州湾で起きる大潮の逆流現象)が来るぞ」

 義父が言うのは、官渡の戦いで勝利した曹操が、荊州を侵略し始めるということだ。これまでは、牧(太守の取り締まり査察官)の劉表が穏やかな人物ゆえ、呉との小競り合い程度で、あまり戦いのなかった土地柄だが、事情が変わってきたようだ。

 それに、劉表の建康状況が優れず、後継者問題も浮上している。まだ、費イは少年だったが、彼はその辺の事情は理解していた。

 「このままでは曹公に呑まれようから、儂らとともに、益州(蜀=四川省)へ参れ」

 そこは、中華の奥座敷とでも言えば、似合いそうな土地柄だ。今は、牧の劉璋と五斗米道の張魯が睨みあっているだけだ。

 彼らは成都周辺と漢中(益州北部)に勢力を張って、なんとか住み分けている。だから、荊州に負けず劣らず、戦乱が少ないのだ。

 「はい、義父様の仰(おお)せに従います」

 こうして費イが益州へやって来たのは、劉備が進攻する十年以上も前だった。

 「これは、利発そうなお子ですこと」

 費イが費伯仁に連れて行かれたのは、成都の庁舎に近い、大きな屋敷であった。その屋の夫人と思しい女性に、費イは紹介された。

 「はい、みっちり仕込めば、少しは役立つかと存じまして」

コメント0

「サテライト「三国志」群像」のバックナンバー

一覧

「「それは飽くまでも曹操が勝つという前提だろう?」」の著者

塚本 青史

塚本 青史(つかもと・せいし)

作家

1949年岡山県倉敷市生まれ。同志社大学卒業後、印刷会社に勤務。イラストレーターとしても活躍。日本作家クラブ理事。父、塚本邦雄創刊の歌誌「玲瓏」発行人。近著に『李世民』。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

日経ビジネスオンラインのトップページへ

記事のレビュー・コメント投稿機能は会員の方のみご利用いただけます

レビューを投稿する

この記事は参考になりましたか?
この記事をお薦めしますか?
読者レビューを見る

コメントを書く

コメント入力

コメント(0件)

ビジネストレンド

ビジネストレンド一覧

閉じる

いいねして最新記事をチェック

日経ビジネスオンライン

広告をスキップ

名言~日経ビジネス語録

本音と建前が違うことが問題の温床になっている。

川野 幸夫 ヤオコー会長