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「諸葛閣下の懸念は誰もが同じ思いだ」

【184】第三十九章 費イ(示/韋)4

2013年5月23日(木)

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【183】第三十九章 費イ(示/韋)3から読む)

 諸葛亮の南中平定は、それから2年後(建興3年=225年)になってからであった。塩や鉄の専売や農業の振興、武器の生産性を上げるのを先決事項としたのだ。

 「これほどの準備が必要なものか?」

 皇帝禅は相変わらず能転気で、費イ(示/韋)にこのような質問をぶつけてきた。

 「はい、戦いとは、準備で勝敗が決まると言ってもいいほどでございます」

 「そうか、ならば戦う前に、朕らはここまで準備しているからと呼ばわれば、互いに血を流すこともなかろうに」

 皇帝禅は冗談ではなく、そのように真剣な顔つきで言った。

 「戦いは準備の裏を掻(か)き合うので、手の内は明かせませぬ」

 「なんだ。そのようなものなのか?」

 精神が幼いと言えばそれまでだが、皇帝禅はあまりにも素直過ぎた。ひととなりは善人だが、皇帝の素養としてはいかがなものかと、側近は皆心配になった。

 諸葛亮が南中平定の過程で、孟獲と阿片(アヘン)の製産について取引をまとめてきたが、皇帝禅に細かい報告を省いたが、さもありなんだと費イは合点した。

 その思いは蒋エン(王/宛)や董允も同じだった。その後、何度か孟獲を成都へ呼んだときも同じだった。製鉄技術が南中へ教えられたことも、劉禅は蚊帳の外であった。

 建興5年(227年)、諸葛亮が『出師の表』を奉って、魏を攻めることを公言した。

 「なぜ、蜀は魏を攻めねばならぬ?」

 劉禅の素朴な疑問に、費イも素朴に応える。

 「魏が漢を簒奪したゆえ、同じ漢(劉氏)の血を引く蜀が、懲らしめるのです」

 「諸葛亮が奉った『出師の表』には、その無軌道ぶりが書かれてあるのか?」

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「「諸葛閣下の懸念は誰もが同じ思いだ」」の著者

塚本 青史

塚本 青史(つかもと・せいし)

作家

1949年岡山県倉敷市生まれ。同志社大学卒業後、印刷会社に勤務。イラストレーターとしても活躍。日本作家クラブ理事。父、塚本邦雄創刊の歌誌「玲瓏」発行人。近著に『李世民』。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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