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「魏軍の側面を突いてくだされば幸甚です」

【185】第三十九章 費イ(示/韋)5

2013年5月24日(金)

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【184】第三十九章 費イ(示/韋)4から読む)

 「結局のところ諸葛丞相は、何のために北伐を行っていたのじゃ?」

 諸葛亮の葬儀を終えた後、皇帝禅は費イ(示/韋)にそのような質問をした。

 「天帝に対して蜀の意気を示し、魏の暴虐を正すためでございます」

 「それだけなら、高い山へと登り、『魏は正道に反している。蜀はそれを訴えたい』と、大声で叫べばいいではないか」

 費イは、それ以上応える気力が失せた。皇帝禅は而立(じりつ・30歳)近くになっても、その程度の認識であった。

 「朕の後宮は、粗末じゃ。もう少し美女を増やしてくれぬか?」

 そう言われたときには、諸葛亮が劉氏を乗っ取らなかったことを呪ったほどだ。劉備への忠義は、やがて劉氏そのものを滅ぼすのではないか。費イは本気でそう思った。

 諸葛亮の後継は蒋エンに決まったが、費イはそのようすを見て背筋が寒くなった。

 これまであまり気づかなかったが、諸葛亮は死ぬ間際まで、軍事、内政、外交の総てを双肩に掛けていたのだ。

 蒋エンも負けぬ程の責任感で、事務をこなしていた。だが、彼の息遣いも最近やや荒いように感じる。費イは尚書令に転任すると、蒋エンの仕事をできるだけ手伝った。

 「のう、費イ。朕の後宮は、美女が少なくなかろうかな?」

 費イの配属が変わっても、皇帝禅は、寄ると触ると後宮を調えよと費イに迫った。それは董允も同様で、双方とも溜息を吐いた。

 「古来、後宮には12人の姫妾で充分とされております。これ以上増やせば、後継者の混乱やら風紀も乱れて良いことはない」

 二人はそう言って、後宮に触らなかった。

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「「魏軍の側面を突いてくだされば幸甚です」」の著者

塚本 青史

塚本 青史(つかもと・せいし)

作家

1949年岡山県倉敷市生まれ。同志社大学卒業後、印刷会社に勤務。イラストレーターとしても活躍。日本作家クラブ理事。父、塚本邦雄創刊の歌誌「玲瓏」発行人。近著に『李世民』。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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