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「主上の遺言を無視した謀反人に天誅だ!」

【190】第四十章 諸葛恪5

2013年5月31日(金)

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【189】第四十章 諸葛恪4から読む)

 「父上。これは、どういうことでしょう?」

 「自分の手を胸に当てて考えよ。公子覇様は処刑されたのだぞ。結局、おまえらが贔屓(ひいき)の引き倒しをしたのだ。主上はそれに関して、おまえの教育をし直せと仰せだ」

 二宮事件が一段落したある日、諸葛恪は、長男の綽(しゃく)を屋敷へ呼んだ。そして、黙って酒を勧める。

 諸葛綽にすれば、これで親子の確執を清算できると思い、ぐっと一気に呷った。だが、その瞬間、喉に焼け付くような痛みが奔(はし)った。そして次に、片膝付いて踏ん張ろうとしても、身体の力が抜けていく。

 「公子覇様の、お側へ行ってお詫びしろ」

 つまり諸葛恪は、長男の杯に毒を盛ったのであった。諸葛綽は、口から血を溢れさせた、床へ頽(くずおれ)れていった。

 この件は諸葛恪から皇帝権へ、即刻報告された。無論、直々にである。皇帝権も、『再教育』を言いつけたものの、ここまで強行な処置が取られるとは思ってなかったようだ。

 「よくやった」

 自らも孫覇を処刑した身であるから、父親としての気持は判る。孫和が皇太子を廃された後、冊立されたのは直ぐ下の弟(孫休)ではなく、末っ子の孫亮だった。

 これも、皇帝権の苦肉の策で、誰もが注目してなかった8歳の公子を立てたのだ。補佐役には孫覇派だった孫弘と孫峻、それに諸葛恪が宛てられた。

 対立する派だった者を一つにして、かつての二派を融合させようとの意図があったようだが、諸葛恪が長男を殺害したと聞いて、かえって彼らは警戒心を強くした。

 孫覇派ということで、いつ自分らが葬り去られるかもしれないからだ。かといって、彼らは諸葛恪を無視できない。それは、呉国内の混乱に乗じて、魏が州泰(しゅうたい)、王基(おうき)、王昶(おうえい)らを将として侵攻してきたからだ。

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「「主上の遺言を無視した謀反人に天誅だ!」」の著者

塚本 青史

塚本 青史(つかもと・せいし)

作家

1949年岡山県倉敷市生まれ。同志社大学卒業後、印刷会社に勤務。イラストレーターとしても活躍。日本作家クラブ理事。父、塚本邦雄創刊の歌誌「玲瓏」発行人。近著に『李世民』。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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