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第5話「取締役を引き受けたら、動きがとれなくなりますからね」

2013年5月8日(水)

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郡山

(これが都市鉱山なんだ……)

 金子は目の前に山のように積み上げられた携帯電話を眺めると、思わずつぶやいた。金脈が眠っていることはわかっていても、普通の人たちには取り出せない。だが、金子は昼夜を問わず研究を重ねた。一緒に暮らす萌は、一心不乱に研究に取り組む金子に近寄ることすらできなかった。

 山積みされた携帯電話のすべては捨てられたものだ。だが、これらは貴重金属と希少金属の塊なのだ。そして、金子だけでなく国も、携帯電話を始めとする小型家電のリサイクルに本腰を入れ始めた。小型家電リサイクル法の施行だ。

 小型家電リサイクル法は、回収の範囲をより広げ、自治体が回収して認定事業者がリサイクルを行う。とはいえ、すべての自治体が一斉に始めるわけではなく、準備の整った自治体から開始される。

 金子の会社はすでに認定業者となっている。リサイクル品の回収は自治体が行ってくれるから、会社としては処理コストを下げ処理スピードをいかに上げるかに集中すればいい。

 小型家電は金、銀、銅といった貴金属、そして白金、リチウム、コバルト、タンタル、パラジウムなどのレアメタルが含まれている。たとえば、日本全体で年間に廃棄される約65万トンの小型家電に含まれる貴金属のうち、金や銀などは約28万トン、金額に換算する約800億円を超えるという。まさに都市鉱山といわれるゆえんだ。

 現在日本国内で使用中の小型家電全体から推定すると、金は約6800トンで世界の埋蔵量の約16%に相当するという。銀は約6万トンで、世界の埋蔵量の約22%にあたるというのだ。

 (目の前の携帯の山にはどれだけの貴金属が眠っているのだろう……)

 金子が読んだ資料には、1トンの携帯電話から150グラムの金と3キログラムの銀を取り出せる、と書いてあった。南アフリカの鉱山では1トン当たり約5グラムと比べても飛び抜けて多い。

 目の前の携帯の量は約10トンだ。金1グラム当たり4900円とすれば700万円相当の金が取り出せることになる。全国で廃棄される携帯電話が年間1万トンとすると、そこに含まれる金は70億円だ。

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「第5話「取締役を引き受けたら、動きがとれなくなりますからね」」の著者

林 總

林 總(はやし・あつむ)

公認会計士

外資系会計事務所、監査法人勤務を経て開業。国内外でビジネスコンサル、管理会計システム導入コンサルのほか、大学で実践管理会計の講義を行っている。また管理会計の草の根活動として、団達也会を主宰。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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