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「いえ、俺たちを蜀軍にお加えください」

【205】第四十四章 姜維1

2013年6月24日(月)

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【204】第四十三章 鄧艾5から読む)

 「太守が姿を消すとは、どういうことだ?」

 「諸葛亮に憶(おく)したとしか思えぬな」

 姜維(きょうい)は仲間とともに、前日まで一緒に周辺を警備していた天水郡(甘粛省最南端)太守の馬遵(ばじゅん)を探していた。

 朝の乗馬散策に出かけたまま、さっぱり姿を見かけなくなったのだ。心配されるのは、蜀側の斥候部隊にでも見つかって、拉致(らち)されたことだ。

 しかし、捜索してみたが、敵の一隊が現れた形跡はない。だとすれば、臆病風に吹かれたということだろう。それゆえ、冒頭のような台詞を仲間が吐いたのだ。

 遊牧民らに聞いてその跡を追うと、上ケイ(圭/大里)なる城邑へ入ったらしい。姜維らも仕方なくそこへ行くと、城門は堅く閉ざされて彼らを入れなかった。

 「それじゃ、庁舎のある冀(き)へ戻るか?」

 姜維は同僚を促して、故郷でもある県名を言った。彼らが冀の城門へ着くと、こちらも閉じられていてさっぱり入れてくれない。

 「俺たちは、郡太守直属の軍兵だと知っていよう。どうして開門してくれないのだ?」

 姜維が叫ぶと、門衛が矢狭間から罵る。

 「おまえらは諸葛亮の話に乗って、魏へ異心を抱いているということだ。その証拠に、一緒に偵察に行った馬太守閣下がおられぬではないか!」

 「何で、そんな話しになるのだ。我らは昨日から、行方不明の閣下を捜しておったのだ」

 「嘘を付くな。今朝方、馬太守から伝令が来て、おまえらは蜀に寝返ったと、お達しがあったのだ。さあ、ぐずぐずそこにいると、矢が飛んでいくぞ!」

 そう言われて、姜維たちは戸惑った。しかし、城門前に留まれば傷つけられるやもしれない。そこで、キ(示/大里)山の方へ逃れることにした。

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「「いえ、俺たちを蜀軍にお加えください」」の著者

塚本 青史

塚本 青史(つかもと・せいし)

作家

1949年岡山県倉敷市生まれ。同志社大学卒業後、印刷会社に勤務。イラストレーターとしても活躍。日本作家クラブ理事。父、塚本邦雄創刊の歌誌「玲瓏」発行人。近著に『李世民』。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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