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「吾の主人が蜀への亡命を希望しておられます」

【207】第四十四章 姜維3

2013年6月26日(水)

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【206】第四十四章 姜維2から読む)

 「病気で寝たきりと噂されていた司馬懿が、突然立ち上がって政変を起こしたんだと?」

 「そうらしい。曹爽が皇帝と一緒に、高平陵(明帝の墓)を弔(とむら)おうと城外へ出たところを狙ったのだ」

 「曹爽も、油断したか?」

 「司馬懿が、惚けて動けぬと信じ込んでな」

 「だが、さすがは司馬懿だな」

 「しかし、我らにとっては困ったものだ」

 魏の権力闘争の状況が、蜀にも聞こえてきた。一端、凋落(ちょうらく)したと見られた司馬懿の復活は、蜀の重臣たちを不安に陥れた。曹爽などとは、手強さが違うからだ。

 「姜衛将軍(維)に、漢中から桟道の向側を護ってもらわねばなりませぬな」

 姜維(きょうい)に、責任を押し付けるような言葉を投げかける者もいたが、彼は嗤(わら)っていた。護り切れねば、発言の主も坐して死を待つことになるからだ。

 それに2年ばかり前から、姜維は魏将の郭循(かくじゅん)や夏侯覇が率いる一隊と、トウ(水偏/兆)水の西で何度も戦っては撃退していた。この度は羌族と一戦交え、降服した彼らを成都へ連れ帰り、郊外の繁県に住まわせたのだ。

 姜維が再び漢中へ戻ったとき、魏の小者が森から出てきたところを捕らえられていた。彼は桟道を越えて、道に迷ったという。

 「吾の主人が、蜀への亡命を是非とも希望しておられます」

 「主人とは、誰だ?」

 「はい、夏侯覇と申します」

 報告を聞いた姜維は、つい笑いだした。

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「「吾の主人が蜀への亡命を希望しておられます」」の著者

塚本 青史

塚本 青史(つかもと・せいし)

作家

1949年岡山県倉敷市生まれ。同志社大学卒業後、印刷会社に勤務。イラストレーターとしても活躍。日本作家クラブ理事。父、塚本邦雄創刊の歌誌「玲瓏」発行人。近著に『李世民』。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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