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「司馬太傅も曹爽も同じ穴の貉でございますぞ」

【212】第四十五章 鍾会3

2013年7月3日(水)

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【211】第四十五章 鍾会2から読む)

 「そなたは、魏の元老だった鍾ヨウ(揺の旁/系)の息子鍾会ですね?」

 母張氏が、念を押すように言葉を連ねる。

 「はい、それは無論のことです」

 「そこで、司馬太傅(懿)の仕打ちを、どう御覧なさるのかえ?」

 「美事な深謀遠慮かと存じます」

 鍾会はそのように応えたが、母親は薄ら笑いを浮かべる。

 「それは司馬太傅が、曹大将軍(爽)を、やり込めたことについてでございましょう?」

 「はい、政変を成功させるには、御兄弟や総領(司馬師)以外の息子たちをも欺(あざむ)いておられたとか」

 鍾会は身が危険に晒されたことも忘れて、飽くまでも司馬懿の策戦を褒(ほ)めた。

 「よろしいかな、鍾会殿。魏の元老鍾ヨウの立場から見れば、司馬太傅(懿)も曹爽も、同じ穴の貉(むじな)でございますぞ」

 母がこうまで真剣な表情で語るのを見て、鍾会は彼女の真意をようやく悟った。

 司馬懿も曹爽も、ようやく大人になりかけた魏皇帝(曹芳)を、人形同然に扱っているということだ。確かに、そう言う意味では、皇帝に対する敬意など微塵も感じられない。

 「よろしいか。魏帝国の皇室たる曹氏は、鍾氏の御恩ある一族ですぞ」

 そういえば、司馬懿は仮病を使っていた時期に、鍾会は尚書郎から中書郎へと官職を重ねている。それは、魏皇帝芳の名においてなされている。

 彼は、母親の心情も思いやった。彼女は、鍾ヨウの薫陶宜しくを得ていて、どこまでも魏に忠誠を尽くさねばならぬとの信念を抱いているようだ。

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「「司馬太傅も曹爽も同じ穴の貉でございますぞ」」の著者

塚本 青史

塚本 青史(つかもと・せいし)

作家

1949年岡山県倉敷市生まれ。同志社大学卒業後、印刷会社に勤務。イラストレーターとしても活躍。日本作家クラブ理事。父、塚本邦雄創刊の歌誌「玲瓏」発行人。近著に『李世民』。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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