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「国益を図るための独断専行は許されると『春秋』にある」

【214】第四十五章 鍾会5

2013年7月5日(金)

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【213】第四十五章 鍾会4から読む)

 鳶(とんび)に油揚げを攫(さら)われた感じで、鍾会は曇天を見あげながら成都に向かっていた。胡烈(これつ)、田続(でんぞく)らの部将も、同じような思いがあった。

 つまり、鄧艾(とうがい)に、蜀皇帝(劉禅)の身柄を押さえられたということだ。

 「おぬし、危ないところであったな?」

 小休止の最中、衛カン(灌の三水を王偏)が、田続をからかって声をかけていた。

 何でも鄧艾に付いていた田続が、江由(こうゆ)付近での部下の速度が遅いと詰られて、危うく処刑されかけたという。鄧艾にしては珍しく、気持が焦っていたことになる。

 「しかし鄧将軍とて、皇帝禅が、これほどあっさり降服するとは思ってもみまい」

 誰もがそう思っていた。そこへ、降服した姜維が辞を低くしてやってくる。

 「部下たちが感謝しております」

 姜維が言うのは、鍾会が部下に略奪暴行を徹底して禁じたことである。

 「夏侯覇殿から、御高名は伺っておりました」

 姜維が名を挙げた男は、魏と蜀、双方の皇室の縁者だ。だが、付き合いなどなかった。

 「何と仰せでした?」

 「『司馬懿は、一族を伸し上げるだけだが、鍾会という男は、蜀や呉の脅威になろう』と」

 随分な褒め言葉だが、鍾会の脳裏を兵力なる語が過ぎった。今、彼が抑えている人員は、益州(蜀)で一番多いのだ。

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「「国益を図るための独断専行は許されると『春秋』にある」」の著者

塚本 青史

塚本 青史(つかもと・せいし)

作家

1949年岡山県倉敷市生まれ。同志社大学卒業後、印刷会社に勤務。イラストレーターとしても活躍。日本作家クラブ理事。父、塚本邦雄創刊の歌誌「玲瓏」発行人。近著に『李世民』。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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