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「そうだ。劉禅を呼んでやれ」

【219】第四十六章 司馬昭5

2013年7月12日(金)

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【218】第四十六章 司馬昭4から読む)

 『司馬昭之心、路人皆知也(司馬昭の心は、路傍の人でも知っている)』とは、この頃の流行語である。

 権力を得ようとしている野心家の陰謀は、誰もが知っているの意になって、これは現在でも使われている。近いところではチベットで暴動があった2008年に、温家宝首相がダライ・ラマを皮肉って発言したようだ。

 ところで、このフレーズを最初に言ったのは、司馬昭の追討令を出した皇帝髦(ぼう)であった。それは当時の人々が、時代の趨勢へ敏感に反応していることを代弁しただけである。

 都人士にしてみれば、やがて司馬氏が国を建てることは秒読みのように思っていた。

 更に、そこへ蜀の元皇帝やその家族たち、また百官ら宮廷人や高官が引き立てられてくると、司馬昭への批判的な言葉が、一種称賛にも似た雰囲気になる。

 それは宮中にも伝染して、司馬昭に勲章を下賜すべきだとの意見も出てくる。

 「司馬昭を晋公(現在の山西省に当たる晋の地を領有する領主貴族。最高位)とし、九錫(きゅうしゃく・錫は賜るの意で、車馬や衣服、楽器、弓矢、斧鉞、虎賁=護衛役など、皇帝からの9種類の賜物)を下賜する」

 司馬昭は宮中へ呼び出され、皇帝奐からそのように言葉を賜った。だが、大人(たいじん)らしくそれを丁重に断った。

 「臣昭、そのように畏れ多い物を戴けるような働きをしておりませぬ。その儀ばかりは、平に平に……」

 彼はそう言うと、後退りしながら退出していった、すると、同じ内容を認(したた)めた詔(みことのり)を書面にした物を、威儀を正した勅使が届けに来た。

 「主上からの要請です。是非、お受けいただきたく存じます」

 このような遣り取りを5回繰り返して、6回目に仕方なく受けるという形態を取った。これで司馬昭は、魏公になったときの曹操と同じ立場に立ったのだ。

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「「そうだ。劉禅を呼んでやれ」」の著者

塚本 青史

塚本 青史(つかもと・せいし)

作家

1949年岡山県倉敷市生まれ。同志社大学卒業後、印刷会社に勤務。イラストレーターとしても活躍。日本作家クラブ理事。父、塚本邦雄創刊の歌誌「玲瓏」発行人。近著に『李世民』。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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