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「後宮にもっと美人を揃えてくれぬか?」

【225】第四十八章 劉禅2

2013年7月23日(火)

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【224】第四十八章 劉禅1から読む)

 「我がいなくとも、蒋エン(王/宛)や費イ(示/韋)、董允(とういん)、郭攸之(かくゆうし)ら、有能な人材は目白押しでございます。どうぞ、御安心ください」

 劉禅は、諸葛亮の言葉を信じるしかなかった。彼には蒋エンと費イが、他の家臣に比べてどう優っているのかが判らない。それは、実務をさっぱり見ていないからだ。

 ただ、彼らが武官を兼ねた存在で、董允や郭攸之が文官ということぐらいは、何とか識別できていた。

 黄武6年(227年)、諸葛亮は『出師の表』を劉禅へ奉(たてまつ)った。彼が改めてみると、北伐をすると謳ってある。北を伐つとは、蜀から見て北方にある『魏』と戦火を交えて屈服させるという意味である。

 その大義は、漢帝国を簒奪(さんだつ・不法な手段で奪い取ること)した魏を懲らしめて、正当な後継者である劉氏が、政権を取り戻すということに他ならない。

 「正当な劉氏」と聞いて、劉禅はまた『史記』の描写を思い出した。「高祖(劉邦)本紀」に描かれている劉邦の、背が高く茫洋(ぼうよう)とした容貌も、掴み所のない大らかな性格も、そのまま劉備に似ていた。

 全く頼りになるのかどうか判らないが、包容力を感じさせて人々に慕われるようすも、劉備は劉邦の再来かもしれなかった。だが、そう思う度に、劉禅は厭な気持になった。自らも、その延長上と人々に見られるからだ。

 彼は尚も『出師の表』読んでみたが、魏の非を難じている箇所は意外に少なく、それよりも諸葛亮亡き後の蜀では、誰に政や軍を托すかと言うことが縷々(るる)述べてある。

 「これでは、諸葛丞相の遺言ではないか」

 さすがの劉禅も、直感的にそう思った。それは取りも直さず魏には勝てず、出陣の最中に自らも死ぬという覚悟であろう。

 「有り体に言えばそうなります。しかし、攻めつづけねば、蜀は魏に併呑される危険がございます」

 劉禅が皇太子になり、皇帝に即位してからも、側近で黄門侍郎の董允が応える。

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「「後宮にもっと美人を揃えてくれぬか?」」の著者

塚本 青史

塚本 青史(つかもと・せいし)

作家

1949年岡山県倉敷市生まれ。同志社大学卒業後、印刷会社に勤務。イラストレーターとしても活躍。日本作家クラブ理事。父、塚本邦雄創刊の歌誌「玲瓏」発行人。近著に『李世民』。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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名和 利男 サイバーディフェンス研究所上級分析官