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第6話「固定費が減るメカニズムを理解して言っているのではないですね」

2013年5月22日(水)

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豊橋の居酒屋

 「味噌、醤油は三河が一番だと思います」

 と言ったのは、公認会計士の西郷だった。

 「ボクも個人的には賛成ですけどね。でも、日本各地においしい味噌、醤油があります。三河は濃い口ですね。九州や四国にはおいしいダシ醤油があります。東北地方で絶品の醤油に出合ったことがあります。こうしてみると、おそらく味噌や醤油は日本の文化そのものなんでしょうね。それぞれの地方の人たちが、味を追求して、ホンモノの味を守り続けてきたんです。ボクも、会計を通して、そんな仕事をしたいと考えているのです」

 そう言って、達也は地元の日本酒を口に含んだ。

 すると、今日の集まりを提案した湯浅が口を開いた。

 「団さんは、プライベートでいらしたんです。でも、お二人から貴重な話を聞かない手はありませんから」

 そう言って、湯浅は笑みを浮かべた。

 「ところで、西郷さん。今期の決算は若干の増益でした。でも、社長として実感がわかないんです」

 湯浅の浮かない顔で言った。すると、西郷が口を開いた。

 「まだアベノミクスの効果が出ていないんですね。ご存じの通り、今年3月31日の日経平均株価は1年前と比べて20%も値上がりしています。

 売買目的で保有する有価証券は時価評価して、評価差額は当期の損益として損益計算書に反映させますから、会社としては何もしていないのに、利益が増えたことになります。言うまでもなく、手持ちの有価証券を売らない限り、その利益は絵に描いた餅に過ぎません。

 もう一つ湯浅さんが実感できない理由があります。外貨建て売上債権は決算時の為替相場で円に換算して、その差額を利益に反映させます。NH社で言えば…」

 西郷は、具体名を避けて日豊(nichi hou)の頭文字を使った。

 「海外向けの取引はすべてドル建てです。よく考えてください。2012年11月の為替レートは1ドル80円だったんですよ。それが2013年3月末には93円になりました。20%近く円安に振れました。仮に去年の11月の売掛金が100万ドル残っていたとしたら、今年の3月では1300万円も評価益が出ることになります」

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「第6話「固定費が減るメカニズムを理解して言っているのではないですね」」の著者

林 總

林 總(はやし・あつむ)

公認会計士

外資系会計事務所、監査法人勤務を経て開業。国内外でビジネスコンサル、管理会計システム導入コンサルのほか、大学で実践管理会計の講義を行っている。また管理会計の草の根活動として、団達也会を主宰。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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