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「魏軍の呉に対する侵攻は…?」

【237】第五十章 司馬炎4

2013年8月8日(木)

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【236】第五十章 司馬炎3から読む)

 呉の皇帝晧(こう)は、都を元へ戻しても御乱行がつづいた。何定(かてい)なる佞臣(ねいしん)を侍らせると、彼は諸将に犬を献上するよう勧めた。

 「それに兔肉を食べさせねばと、建業近郊では兔が狩り尽くされたとか」

 呉の内情を報告するのは、王戎(おうじゅう)である。

 「『玩物喪志(がんぶつそうし・珍奇なものに心を奪われ、大事な志しを喪うこと)』もいいところだな」

 皇帝炎は吐き捨てるように言うが、王戎はまだあるという。

 「最近、呉の建業で昭明宮なる離宮が造営されましたが、皇帝晧をはじめ、皆が顕明宮と呼んでおるそうにございます」

 「はて、ならば、初めから顕明宮でよさそうなものなのになァ」

 「それですが、今、諱(いみな・本名)を忌避(きひ)するのが流行しているとか」

 つまり、呉では皇帝炎の父親司馬昭の諱を憚って、昭を顕に置きかえているという。

 「それは、畏れ入る話だな」

 「はい、それが宮廷人の間でも、滕密(とうみつ)が同僚の丁密の諱を冒すので滕牧(とうぼく)に変え、丁密は丁密で、丁固に変えると言ったありさまです」

 そのような現象が宮廷の外まで及び、建業の都人士の間で行われているらしい。何ら生産性のない悪習だが、衰退の一途を辿る国家に、似合いの虚礼と言えよう。

 「そのような国家なら、人々も一新されることを望もう。そろそろ侵攻してやるか?」

 皇帝炎の意向を受けて、泰始8年(272年)王戎は荊州で呉と対峙する車騎将軍羊コ(示/古)にようすを聞こうと出かけた。おりもおり、呉の西陵督(西陵守備の長官)歩闡(ほせん)が、晋への投降を申し出た。

 「このまま晋の兵を西陵へ派遣すれば、領土が広まりましょうな。是非、そうなされよ」

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「「魏軍の呉に対する侵攻は…?」」の著者

塚本 青史

塚本 青史(つかもと・せいし)

作家

1949年岡山県倉敷市生まれ。同志社大学卒業後、印刷会社に勤務。イラストレーターとしても活躍。日本作家クラブ理事。父、塚本邦雄創刊の歌誌「玲瓏」発行人。近著に『李世民』。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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檜山 敦 東京大学先端科学技術研究センター 講師