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第9話「有利子負債を増やして、財務レバレッジを高めるわけね」

2013年7月3日(水)

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ロンドン

 どうやら、ジェームスと自分とは視点が違うのかもしれない、と真理は思った。つまり、自分は管理会計でバランスシートを見ているのだが、ジェームスはファイナンスで見ている。資本コストを考えれば、自己資本比率(自己資本/総資産)が100%に近づくほど、リスクが高くなるというのだ。だが、真理にはジェームスの考えが理解できない。

 「会社への資金の出し手が投資家だ。投資家には金融機関や社債権者といった債権者と、株主がいる。これを会社側から見ると有利子負債と株主資本だね。分かる?」

 「知ってるわ」
 真理はこんな初歩的な質問をされて不愉快になった。

 「じゃあ質問だ。有利子負債と株主資本に対する資本コストは何だろう?」

 「支払利息と配当金。支払利息は融資先との契約で決まっているから、会社の業績にかかわりなく毎月支払わなくてはならない。でも、株主資本はそもそも返済してはならないし、赤字なら配当の必要はない。黒字だって配当しないことだってあるわ」

 「なるほど。きみの考えは、株主資本は有利子負債と比べて資本コストが低い、ということなんだね」

 「違うの? ジェームス」

 「間違いよ」
 と答えたのはリンダだった。

 「投資家の立場で考えてみたらどう? あなたには自由に使える資金が1億円あるとする。この資金で社債と株式のどちらを買うかしら」

 「もちろん社債」

 リンダの問いに、真理は自信を持って答えた。社債なら毎月利息が入ってくる。しかし、株式を買っても配当をもらえるとは限らない。しかも、株価が上昇すれば売却益を稼げるものの、業績が落ち込んで株価が下がれば大損だ。

 「マリ、あなたの答えは矛盾しているわ。さっき、利益が出なければ配当する必要がないから、株主資本のコストは低いって言ったわよね。でも、投資側に立った途端、配当がないかもしれないから、社債を選ぶと言った言ったでしょ。それって、ちぐはぐだと思わない?」

 リンダはニコッと笑った。ジェームスが続けて言った。

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「第9話「有利子負債を増やして、財務レバレッジを高めるわけね」」の著者

林 總

林 總(はやし・あつむ)

公認会計士

外資系会計事務所、監査法人勤務を経て開業。国内外でビジネスコンサル、管理会計システム導入コンサルのほか、大学で実践管理会計の講義を行っている。また管理会計の草の根活動として、団達也会を主宰。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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