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第14話「経営に役立つ管理会計を設計してもらえませんか」

2013年9月18日(水)

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日豊自動車

 「日豊自動車に来てから、ずっと疑問に思ってきたことがあります。この会社には経営サイクルが存在しない…」

 メーンバンクから転籍した小島常務は、日豊自動車を明らかに見下していた。だが、社外監査役で会計士の西郷は、毅然とした態度で反論した。

 「それほど断定的におっしゃるのには、確固たる根拠がおありなのですか」

 少し言い過ぎたかな、と西郷は反省した。だが、小島は気にする様子もなく、あたかも学生に教えているかのように、経営サイクルの解説を始めた。

 「私たち金融の人間にとって、経営サイクルは、当たり前の知識でね。企業が行うPlan→Do→Check→Actionというサイクルのことで、PDCAサイクルとも呼ばれている。最初のPlanは目標の設定のこと。注意すべきは、目標は具体的な行動計画に落とし込んで初めて機能するということだ。次のDoは、具体的な活動のことだ。3番目のCheckは、活動実績の測定と評価。そして、最後のActionですが、これは一連のサイクルが終わったら、反省を踏まえて次のPlanにフィードバックすることだ。分かったかな」

 白けた空気が漂った。だが、小島は機嫌良く、西郷に向かって話し始めた。

 「確か、西郷先生は私に、経営サイクルが機能していない根拠を示せ、とおっしゃいましたね。数えたらきりがありませんよ。時間も押していますから、1つだけ例を挙げましょう」

 小島は大げさに咳払いした。

 「原価管理課は原価差異の分析をしていないんです」

 「原価差異ですか」
 湯浅が聞いた。

 「目標原価と実際に使った原価の差で、金額で表したものです。原価差異がマイナスの時は、それだけ利益がマイナスになっていることでもあるのです。なのに、うちの経理部は、金額計算をしているだけで、その差がなぜ出たのか分かっていない。だから、次の経営サイクルへのフィードバックもできていない。私が質問しても、経理部長はいつも『次回までには何とか』と言って逃げ回るんです。社長、そんなことでいいんですか?」

 出身銀行を後ろ盾にして、この男はのけぞらんばかりに、ふんぞり返っているのだ。

 「小島さん。その点は弊社の古くて新しい課題です。それを何とかしてほしいものですから、小島さんにこの会社に来ていただいたんですが…」

 湯浅は金融機関で経理畑一筋の小島に、期待をかけていたのだった。だが、小島は何もしないどころが、まるで人ごとのように管理会計の不備をあげつらった。

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「第14話「経営に役立つ管理会計を設計してもらえませんか」」の著者

林 總

林 總(はやし・あつむ)

公認会計士

外資系会計事務所、監査法人勤務を経て開業。国内外でビジネスコンサル、管理会計システム導入コンサルのほか、大学で実践管理会計の講義を行っている。また管理会計の草の根活動として、団達也会を主宰。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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