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妄想のスクールガール、擬態のゆくえ

『フラッシュバック』/『波紋と螺旋とフィボナッチ』

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2013年10月23日(水)

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【私が編集した本読んで下さい!】

フラッシュバック』谷 郁雄 詩/青山裕企 写真、朝日出版社

担当:朝日出版社第二編集部 赤井茂樹

 ある日、旧知の詩人、谷郁雄さんが作品を携えて会社にお見えになりました。B4版の用紙に手書き、谷さんの詩はすでに20篇完成していました。冒頭近く、「交換」という作品はこう読めました。

 交換

 心がちっとも
 ときめかない

 空は青いに
 きまっている

 子どもの目玉を
 私にください

 大人のカラダを
 あげるから

 これは「擬態」の表明であり、役割期待が行き交うこの社会の「行動規範(教科書)とそのかいくぐり方指南」なのだと思います。

 谷さんの説明を聞くと、写真家の青山裕企さんとコラボレーションを考えている。なんでもこれで3作目になるらしい。ご自身の詩から出発して、青山さんに自由に写真を撮ってもらい、それを書籍にまとめたい。

詩から出発する写真集

 私はそれまで青山さんのお仕事をそれほど詳しく知りませんでした。『スクールガール・コンプレックス』は評判だったし、『透明人間⇄再出発』は、寄藤文平さんの造本・装幀が注目され、いくらかの新聞記事などを読んでいました。その程度の知識です。それに、編集者として、写真集を手がけなくなって久しく、勘が鈍っていると自覚もしていました。

 しかし、私には「擬態」という着眼はおもしろく感じられたので、詩人の意図も、写真家のねらいも十分には確かめないままに、企画を進めてみたいと思い、ご提案を受けることにしたのです。

 谷さんの作品が描くのは、『スクールガール・コンプレックス』に登場する高校生たちの数年後の姿。その自意識の葛藤──自らを承認するまでの迂路であり儀式──でしょう。

 世間に押し付けられた(女性性を身にまとえという)眼差しに順応したり反撥したりしながら、なんとなく受け入れていく自己馴致(社会的な適応)、そのゆるやかな肯定だと思いました。

 恋愛も友情も会社勤めも、早すぎるノスタルジーも人生への諦念も、短詩系文学の風土が口にさせる花鳥風月も、さらには性的な関心と実践と風俗も、破綻をあらかじめ封じられた葛藤の中に収まっています。

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