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第19話「採算割れの根拠が必要だ」

2013年11月27日(水)

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 達也と真理は久しぶりに日暮里のGMC本社で静かな時間を過ごしていた。金子が独自に開発していた燃料電池の試作品も完成した。近々量産に移行した時のグローバルサプライチェーンも整った。ビジネスパートナーの日豊自動車社長の湯浅から、燃料電池車は2018年には量産できそうだとの返事をもらっている。

 だが、日豊自動車との共同プロジェクトを成功させるには、もう1つ完成させなくてはならないことがあった。水素の製造装置だ。

 金子はまだ郡山にいる。本来なら、豊橋にある日豊自動車の研究所に詰めて、燃料電池の量産化に集中しなくてはならないのだが、水素製造装置の研究が進んでいないのだ。

 夢のエコカーといわれる燃料電池車は、どこでも水素を補給できなければ夢で終わってしまう。いい例が、鳴り物入りで登場した電気自動車(EV)だ。ハイブリッド車に独走を許しているのは、充電の問題が立ちふさがっているからだ。

 水素ステーションも、課題は同じだ。さらに、充電設備よりもコストがかかる。日産自動車のカルロス・ゴーン社長が「燃料電池車は専用のインフラが必要で、2020年より前の普及は難しい」との見方を示しているのも、そうした理由からだ。燃料電池車を爆発的に普及させるには、水素を容易に補充できなくてはならない。なんとしても、自宅で水素を作れる装置が必要なのだ。

 だが、金子の研究は暗礁に乗り上げたまま、先が見えていない。

 そんな折、達也を震撼させる記事が新聞に載った。

 「団さん、ここを読んで」

 真理は驚いた表情で達也に新聞を見せた。
 達也は、盛り上がりを見せたモーターショーの記事に釘付けになった。

 「日豊自動車は、燃料電池車のコンセプトカーを公表し、2015年中には1台400万円程度で売り出すと発表。ガソリン車と同程度の販売価格に、トヨタ自動車、ホンダも警戒感を強めている」

 (話が違う……)

 「量産開始は2018年の約束のはずだ。しかも、400万円なんて無茶な話だよ。湯浅さんは、何を考えているんだ」

 達也は感情をあらわにした。

 「団さん」
 真理は静かに語りかけた。

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「第19話「採算割れの根拠が必要だ」」の著者

林 總

林 總(はやし・あつむ)

公認会計士

外資系会計事務所、監査法人勤務を経て開業。国内外でビジネスコンサル、管理会計システム導入コンサルのほか、大学で実践管理会計の講義を行っている。また管理会計の草の根活動として、団達也会を主宰。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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