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第21話「特許申請はしていません」

2013年12月25日(水)

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日豊自動車

 「実は、監査役の西郷さんからいろいろと厳しい助言をいただきました」
 社長の湯浅は、達也に会うなり話し始めた。

 「西郷さんは、弊社の株価純資産倍率も株価収益率も実態と比べて高すぎるというんです」

 「なるほど。でもそれは投資家の日豊自動車に対する期待なのですから」
 「そこなんです」
 なぜか湯浅は元気がない。

 (やはり…)
 達也はわずかに頷くとこう話し出した。

 「株価の上昇は、燃料電池車をトヨタやホンダよりも早く発売すると発表したからですよね。でも、前に湯浅さんは発売は2018年とおっしゃっていた。それが3年も早まったのですから、あのプレス発表には正直驚きました」

 「……」

 「やはり、不可能なんですね。でも投資家はあなたの言葉を信じた。だから、あのプレス発表には根拠がないことが分かった瞬間、株価は風船のように一気にしぼんでしまう。あなたも西郷さんもそう思っている…」

 「図星です。でも、これほどマーケットが反応するなんて想定できなかった」

 「湯浅さん、投資家はそうとは考えません。なぜなら、あなたが一流の技術者で、ずっと燃料電池を研究してきたからです。しかも、日豊自動車の社長です。疑う理由なんてありません」

 「団さん。そうすると2015年まで嘘をつき続けるということですか」

 「2015年にリリースすればいいではありませんか」
 達也は当然のように言った。

 「残念ですが、弊社の技術者では無理です。それに資金がありません」
 今にも消えそうなかすれた声だった。

 「つまり、知的資産がない、ということですか!」

 きつい言い方でもあったが、湯浅は自分のふがいなさを叱咤された気がした。

 (それにしても、知的資産って、なんだろう)

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「第21話「特許申請はしていません」」の著者

林 總

林 總(はやし・あつむ)

公認会計士

外資系会計事務所、監査法人勤務を経て開業。国内外でビジネスコンサル、管理会計システム導入コンサルのほか、大学で実践管理会計の講義を行っている。また管理会計の草の根活動として、団達也会を主宰。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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