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7歳から描いていた「中村市」、「タモリ倶楽部」の神回となる

『みんなの空想地図』/『今日の「あまちゃん」から』

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2014年2月5日(水)

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【私が編集した本読んで下さい!】

みんなの空想地図』今和泉 隆行著、白水社

担当:白水社 一般書編集部 和久田頼男

 TV番組の「タモリ倶楽部」に登場したのが2013年の6月。「地図マニアの最終形 ひとり国土地理院大集合!」と銘打たれた、あの放送が、やはりティッピング・ポイントだったのでしょう。番組のなかでは、3人の「架空地図作家」が紹介され、そのしんがりをつとめるかたちで、本書の著者が登場したときには、出版社や書店で仕事をしている人であれば、地理人こと今和泉隆行さんにアプローチしてみたいと思ったはずです。

 事実、『平成男子図鑑』をヒットさせた(「草食男子」の名付け親としても知られる)旧知の深澤真紀さんが、「タモリ倶楽部」の放送直後に、今和泉さんのところにメールで連絡をくれました。今回この本を作らせていただいて、あらためて、出版業界内における「タモリ倶楽部」の影響力というか支持率に驚かされました。取次の方からも、書店の方からも、いつも楽しみに(録画して)見てるという声が数多く聞かれましたし。

 今和泉さんが登場した放送回は、「神回」と呼ばれるほどインパクトが強かったみたいです。「地図マニアの最終形」としてのオーラに、視聴者は、畏怖の念を抱いたわけですね。その回に出演されていた伊集院光さんもまた、収録後のラジオ番組で、架空地図作家のことを称して曰く――やってる作業が神なんだよね! と。それらの反応は、いわば、「箱庭世界の創造主」の全知全能ぶりには知的好奇心のつよい人ほど震撼させられる……ということの証なのだと思います。

 著者の全知全能ぶりで、知的な読者を吃驚仰天させる――という法則というか編集方針は「鉄板」だということを、ラジオやTVでの反響を見聞きするにつけ、そのとき再確認した次第です。

 とはいえ、著者が「タモリ倶楽部」に登場した時点では、まだまだ原稿は仕上がっていなかったというのが本当のところです。正直なところ、わたしたちとしては、順番が逆になってしまったなあと思っていたのでした。わたしたちの当初の目論見としては、単行本を刊行した暁に、プロモーションをしていく流れのなかで、まさしく「タモリ倶楽部」で話題にのぼるようなことになれば嬉しいなあと考えていたのです。

架空地図の本、最初のタイトルは『国土地理人の誕生』

 いま「わたしたち」といいましたが、この本を作るにあたっては、編集者の中村健太郎さん(あるくかい編集室)からの企画立案がもとになっています。そもそものきっかけは2011年の春頃に遡ります。『工場萌え』や『団地の見究』で有名な大山顕さん、東京スリバチ学会の副会長としても知られる石川初さん、首都大学東京システムデザイン学部准教授の渡邉英徳さんが「マッピングナイト3」というイベント――そこに彗星のごとく現れて地図好きの人々の心をさらったのが地理人こと今和泉さんでした――を行う少し前、大山さんが今和泉さんの空想地図をTwitterで話題になさり、そのツイートを見つけた中村健太郎さんが、Twitterの地理人アカウント宛てDMで書籍化の打診をしたのです。

 BD(バンドデシネ)と呼ばれるフランスのアート系漫画が、ここのところようやく、日本でも読者に恵まれるようになってきました。そのBDコレクションブームも牽引してきた中村健太郎さんは都市をめぐる(人文学的な)想像力のあり方に関心をもっていて、わたしも同じ関心を共有していることを知っての打診だったわけですが、今和泉さんの本の出版元を探しているという企画相談を受けて、白水社から刊行しようという話になった次第です。ですからもう、かれこれ3年近く前から進めてきた話です。

 なぜ、『みんなの空想地図』が白水社から? という質問をいただくこともままあるのですが、刊行の経緯は以上のとおりです。白水社では、地図好きのあいだで「地図神」としてリスペクトされている今尾恵介さんの著書(『地図で読む戦争の時代』『地図で読む昭和の日本』)を刊行しているということもあります。また、わたしがいま編集している『ジャック・デリダ伝』の著者ブノワ・ペータース氏が、実は、空想都市を芸術的に描きあげたフランソワ・スクイテン氏による名作BD『闇の国々』の原作者であるという偶然の符合もあります。

 地理人こと今和泉さんの存在を知って、とても素晴らしいタレントだと直観しました。もちろん「第一発見者」として称えられるべきは中村さんですし、彼にエディターとして関わってもらうわけなので、わたしはプロデューサー的なふるまいを心がけてきました。まずは企画を通して、予算を付ける。コンセプトを通してゆく。そのために必要なのは、なんといっても書名です。わたしが最初に考えた書名は、『国土地理人の誕生』でした。

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