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第25話「うちの会社は何もしないで儲けさせてもらう」

2014年2月26日(水)

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ニューヨーク UEPC本社

 「ミスター・ウッズ、これがカネコが発明した車載用燃料電池の設計図と研究データです。実物の写真もあります」

 間中は勝ち誇った様子で、UEPCのCEOであるマイケル・ウッズに言った。

 これでストックオプションの権利を手中にしたも同然だ。UEPCがこの画期的な燃料電池の発売計画をプレスリリースすれば、株価は一気に跳ね上がる。株価が高くなるほど自分の儲けは増え、その先は夢のような生活が待っている。

 間中の脳裏には、これまでの人生がよぎった。貧しい生活の中で、必死になって勉強し一流大学に合格した。卒業後は一流銀行に勤めたものの、出世競争に負けた事で、不本意にも中堅企業に転籍させられた。あの時が、運命の分岐点だった。

 ジェピーの専務になって3年目に、団達也が入社してきた。団は社内で我が物顔で振る舞い、結局、間中はジェピーを追い出されてしまったのだ。はらわたが煮えくりかえる思いをこらえて7年たった。だが、団の事は忘れよう。ストックオプションを行使すれば、莫大な金を手にする事ができるのだから。間中は、おそるおそるマイケルに尋ねた。

 「お忘れではないとは思いますが、念のためお聞きします。約束のストックオプションの件ですが…」

 すると、マイケルは話を遮ってこう告げた。

 「私は約束は守る」
 マイケルの返事に、間中は胸をなで下ろした。

 「ダンとカネコは、この装置の特許申請をしたのだろうか?」
 「そのはずですが」

 「曖昧では困る。ミサワ、カネコはきみの部下だったね。私の記憶では、カネコはきみをリスペクトしていた」

 三沢は黙ったまま頷いた。

 「すぐに確かめるんだ」

 マイケルは固定電話の受話器を三沢に渡した。

 「今ですか?」
 「そうだ。今すぐ確かめるんだ」

郡山

 何者かに荒らされた金子の研究室は、ようやく元の姿に戻った。だが、金子の心は沈んだままだ。キャビネットの中の実験データと手書きの設計図が気になって仕方がない。おそらく、写真に撮られたに違いない。

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「第25話「うちの会社は何もしないで儲けさせてもらう」」の著者

林 總

林 總(はやし・あつむ)

公認会計士

外資系会計事務所、監査法人勤務を経て開業。国内外でビジネスコンサル、管理会計システム導入コンサルのほか、大学で実践管理会計の講義を行っている。また管理会計の草の根活動として、団達也会を主宰。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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