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会社の「働きアリ」なんて、これを読んだら言えません

『アリたちとの大冒険』/『原色 川虫図鑑』

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2014年4月2日(水)

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【私が編集した本読んで下さい!】

アリたちとの大冒険』マーク・W・モフェット著(化学同人)
担当:化学同人編集部 後藤南

アリたちとの大冒険』マーク・W・モフェット著(化学同人)
担当:化学同人編集部 後藤南

 この本を手にした方は、まずは何といっても大迫力の写真に目を奪われることでしょう。「ナショナル・ジオグラフィック」誌のカメラマンでもある著者モフェット氏が、アリたちの決定的瞬間をとらえたクローズアップ写真は本当にすばらしいものです。同時に、誌面いっぱいにぎっしり詰まった文字の多さにも圧倒されるかもしれません。

 しかし、安心して読み始めて下さい。世界のスーパーアリたちが繰り広げる想像を絶する世界に驚きながら、そして、モフェット氏の探検家精神にあふれる行動にわくわくしながら、一気に読み進められるはずです。

よみがえれ!昆虫少年・少女

 この記事を読まれる方に昆虫の専門家はほとんどいないでしょう。恥ずかしながら私もまったくの門外漢です。しかし、この本のすばらしいところは、専門家でない読者でも、アリの世界を奥深く堪能し、十分に楽しめることです。

 遠い日の昔、昆虫採集や生き物の観察に夢中になった経験をお持ちの方は多いのではないでしょうか。今ではすっかりそんな経験と無縁の生活を送っている方々でも、きっと少年の日の情熱をよび起こされるはずです。

 インディ・ジョーンズに喩えられることもあるモフェット氏は、お目当てのアリを求めて、世界中を駆け回ります。何日も歩き続け、じっと待ち続け、ようやく見つけたアリたちの姿を決して逃すまいと、腹這いになってカメラに収めます。そのときの興奮がまるで現場にいるように伝わってきます。本書の原題は、“Adventures among Ants”なのですが、“among”という言葉にはそうした「アリまみれになって」という意味が含まれているのでしょう。

 また、難航する宿泊所探し、現地の青年との交流、などといった番外編的エピソードもとてもおもしろく、まるで冒険物語を読んでいるようです。

 本書の最後には、モフェット氏が、アリの探検調査で意気投合した女性と,イースター島で結婚式を挙げるくだりが出てきます。二人は、古くから島に伝わる風習に則り、布だけを体にまとって挙式を行います。そして、式の途中、モフェット氏はふと足下を見ました。すると、なんと、そこをアルゼンチンアリの隊列がすばやく横切ったのです。ああ、なんとこの本にふさわしいオチなのでしょう。「ブラボー、アリ!」「万歳、モフェット!」と拍手喝采を送りたくなりました。

 ちなみに、アルゼンチンアリというアリは、とにかく数の多さで他を圧倒する戦略で、世界中に勢力を広げている種族です。別の集団との戦闘の後は、辺り一面がアリの死骸で埋まるほどです。生態系を破壊しつくす恐れがあるともいわれており、日本でも生息が確認されていますが、効果的な駆除方法がまだないため、警戒が必要です。

貴重なアリの研究書として

 冒険的なおもしろさばかり述べてしまいましたが、この本は、すばらしいアリ研究書でもあります。いま世界で注目されている6種のアリの生態を、著者が自分の足と目とカメラで観察・記録した内容は、謎だらけのアリ社会を紐解いていくさまざまな手がかりを与えてくれる貴重なものです。

 そこには専門的な内容も多く含まれます。しかも300頁を超える大著です。翻訳のハードルは相当に高いものでした。山岡亮平先生をチーフとしたアリ研究者の方々が翻訳を引き受けて下さらなかったら、出版は実現できなかったと思います。そして、このばりばりのアリ研究者である訳者の方々が、口を揃えてこの本はおもしろいと語ったのです。

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