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最終話「違法でなければ何をしてもいいとお考えなんですね」

2014年3月26日(水)

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MCN創立総会

 突然2人の男が現れると、会場のざわめきが水を打ったようにしずまった。

 1人は50歳代アジア系、もう1人は70歳代の白人で、どちらも招かれざる客であることは、会場にいた全員がすぐに理解した。

 小柄で貧相なアジア系の男は、マイクを手にすると、甲高い声で話し始めた。

 「団さん、それからここにお集まりのすべてのみなさん。本日は誠におめでとうございます。申し遅れましたが、私は間中と申します。団さんとは古い付き合いでして、本日ここにはせ参じたのも、一言お祝いを申し上げたいと思ったからであります」

 和やかな雰囲気は一気に冷め切った。

 「帰ってください」
 突然、女性の声が聞こえた。萌だった。

 「お願いです。これ以上邪魔をしないでください…」
 萌は唇を振るわせながら訴えた。

 「もういい」

 金子は萌を抱きかかえ、会場を後にした。
 2人がいなくなってからも、間中は演説を続けた。

 「誰かと思ったら、私の…。まあ、それはいいとして、団さん、それから日豊自動車の湯浅社長。燃料電池車の発売は2015年でしたね。私はうれしいんですよ。世界で最初に量産車をリリースする会社が、トヨタでもなく、ホンダでもなく、なんと無名のMCN社なんですから」

 間中は会場を見渡した。

 「しかし、喜ぶのはまだ早い。MCN社は早晩破綻します。この私が保証します」
 と言うと、間中は甲高い声で笑った。

 「何をおっしゃりたいのですか」
 口を開いたのは湯浅だった。

 「言いたいこと? はっきりしていますよ。団達也は詐欺師だってことですよ。あなたも、ここにおられる投資家の皆様も、団にだまされている。そのことをお伝えしたいのです」

 「根も葉もないことです。ここから出て行ってください。さもなくば…」

 湯浅は珍しく声を荒げた。

 「警察を呼ぶんですか。お好きのように。でも、これだけは言っておきますよ。MCN社が持つ燃料電池に関わる特許は、弊社の特許管理会社から盗んだものです」

 「どういうことなんですか?」
 湯浅が聞き返した。

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「最終話「違法でなければ何をしてもいいとお考えなんですね」」の著者

林 總

林 總(はやし・あつむ)

公認会計士

外資系会計事務所、監査法人勤務を経て開業。国内外でビジネスコンサル、管理会計システム導入コンサルのほか、大学で実践管理会計の講義を行っている。また管理会計の草の根活動として、団達也会を主宰。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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