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「90点を91点に」するのが男の料理だ!

『男のパスタ道』/『カヤツリグサ科ハンドブック』

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2014年7月23日(水)

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【私が編集した本読んで下さい!】

男のパスタ道』土屋 敦著、日経プレミアシリーズ
担当:丸本 忠之(フリー編集者・ライター)

 男の料理って、いったい何だよ? そういう議論は何度かやったと思います。「調理も味付けもザックリでいい。いいかげんって、良い加減という意味だから」みたいな男の料理本が溢れていますが、その路線はすでに平野レミさんによって完成されている。

 考えてみれば当然です。仕事に、家事に、子育てにと追われる女性たちには、時間がない。最短コースで合格ラインを目指す効率重視路線は、むしろ「女の料理」なのです。

 趣味で料理をする男性を読者ターゲットにするなら、違う路線を選ばないかぎり「男の」をつけて区別する意味がありません。かといって、高級食材や高級調理器にこだわる路線は美しくない。価値判断の基準を、自分の外部に置いているからです。

 それなら、徹底的に非効率でいこうじゃないか。
 大切な休日をまるまる潰して、90点を91点に1点だけ上げるような努力。

 オタクに女性が少ないように、他人からすればアホにしか見えない無駄な努力こそ、「男の」を冠するにふさわしいのではないか。その努力を薀蓄として語るから嫌われるのであって、黙って満点に近いクオリティの料理を出せば、家族にも喜ばれるはずです。

 もちろん、何をもって満点とするかを決めるには、科学的考察が欠かせません。

 すべての工程を徹底的に検証し、最善の調理法を探る。本の路線としては早い段階で決まりました。平野レミさんが読んだら「バッカじゃないの~」と笑ってくれるような料理本です。

3行程しかない料理に18万字オーバーの原稿

 対象に選んだのはペペロンチーノ。素材はパスタとニンニク、唐辛子、オリーブオイルと塩だけ。しかも、麺を茹でる、オイルソースを作る、両者を絡める、と3工程しかない。「引き算の料理」だからこそ、調理の神髄が見えてくるのではないか。それが狙いです。

 ペペロンチーノの作り方だけで1冊の教養新書にする。前代未聞の無謀な試みです。我々も当初は実現できる自信がなく、トマトソースやラグーソースの作り方も応用編として付けようか、なんて相談もしていた。ところが、蓋を開けてみると、原稿が18万字を突破してしまい、4万字を削りました。

 編集者としてお願いしたのは、「バランス感覚を捨ててくれ」の1点。

 著者が極端に走れば走るほど、読者はカタルシスを感じる。土屋氏はそのリクエストを上回る勢いで突っ走ってくれました。普通の料理本なら「鍋に水と塩を入れて沸騰させ、パスタを茹でる」で済ますところを、4章ぶん8万字も書きまくる。

 塩や水の量・質、茹で時間などを考えるのはもちろん、お湯ではなく水から茹でてみたり、圧力鍋で茹でてみたり。沸点を上げるために塩を入れるというのなら、台風が来て気圧が下がった場合は塩の量を増やすべきではないかと悩んでみたり。思いつく疑問点をことごとく実験で確認し、常識を覆していく。

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