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犬たちにも「明治維新」があった!

『犬たちの明治維新 ポチの誕生』/『維新侠艶録』

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2014年9月3日(水)

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【私が編集した本読んで下さい!】

犬たちの明治維新 ポチの誕生

仁科邦男著(草思社)
担当:草思社編集部 貞島一秀

人と同じように、日本の犬たちにも開国があり、幕末があり、明治維新があり、文明開化があった。しかし、犬の歴史は、人の歴史の中に埋没し、犬が激動の時代をどう生きてきたのか、顧みられることもなかった。埋没した犬の歴史をいつか世に出してみたい、と思いながら、ずっと史料調べを続けてきた。

 あとがきにある著者の言葉です。

 本書が素晴らしいのは、幕末明治期のさまざまな史料に散らばっていた犬関連の記述を十数年がかりで丹念に拾い集め、それを時代の流れに即して体系的にまとめ、「犬たちにとっての幕末明治」の全体像を初めて明らかにした点です。

 著者の仁科邦男さんは、大手新聞社の出版局長まで務められたジャーナリストですが、若い頃から、個人的関心で西郷隆盛が連れていた薩摩犬の血を引く小型犬を探し求めて鹿児島の離島を旅するなど、大の犬好き。新聞社退職後は犬(&猫)三昧の日々で、昨年、記者時代から収集していた膨大な犬史料をもとに『犬の伊勢参り』(平凡社新書)を発表。新聞各紙の書評で絶賛され、〈新書大賞2014〉で第2位に輝きました。

 その、いま最も旬な「犬の歴史家」の次なる作品が本書です。犬好き、幕末好きの期待を裏切らない、驚き満載の超濃厚な本になっています。ここではその一端をご紹介します。

黒船襲来──犬たちも泰平の眠りから目覚める

 幕末、黒船が日本にやって来て開国を迫るまでは、犬たちも天下泰平の江戸時代を満喫していました。当時の犬は、町や村の至る所に住み着き、土地の人々みなの手で養われていたので、安心感からか、昼間から路上でぐうぐう寝ていたのです(村の犬は村犬、町の犬は町犬、総称して里犬といいます)。

 里犬には時に不審者が現れたら吠えるという大事な仕事がありましたが、普段は見慣れた住民たちに囲まれ、しばしば路上で気持ち良さそうにごろ寝していたのです。

 ところが、黒船襲来で時代は激動の幕末に突入。犬たちも不穏な空気を敏感に嗅ぎ取り、幕末史の重要局面に颯爽と躍り出ます。

 たとえば、横浜でペリー艦隊(黒船)に乗り移り米国密航を企てようとした吉田松陰の前に立ちはだかったのが、現地の村犬たちでした。浜辺に現れ、いざ黒船へ!と意気込む松陰を不審者と認定し、吠えまくり、その日の密航を断念させています(松陰には気の毒な話ですが)。

 また、英国公使オールコックの秘書官に路上で残飯をもらった町犬が、江戸高輪の英国公使館まで秘書官の跡をついていき、その晩、公使館を急襲してきた攘夷派水戸浪士14人に対し、たけり狂ったように吠えて、館員らを間一髪のところで救っています。

ジャパニーズ・ドッグ、海を渡る!

 さて、前述の松陰の米国渡航の夢を果たしたのが、これまた「犬」だったというから驚きです。嘉永七年(1854)、日本開国を祝し、幕府とペリー艦隊との間で記念品の交換がなされ、幕府から米大統領宛に、米二百俵、木炭三十五俵、乾物の魚などともに、座敷犬のチン(狆)数匹が贈られたのです(チンは原産地不明の小型犬で、欧米で非常に人気がありました)。

 そこで著者は前代未聞の考察を披露します。
「幕府はペリー艦隊に何匹のチンを贈ったのだろうか?」

 ペリー艦隊の公式報告書第20章には米大統領宛に「珍種の4匹の小さな犬」が贈られたとあります。ところが、同報告書第24章には大統領宛に「3匹」とある。この他、ペリー宛に2匹贈られ、ペリーは個人的にもチンを入手していた模様。一体、何匹のチンがペリー艦隊に乗船したのか…?

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