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ビジネスをゼロから考え直そう

ピーター・ティール『ゼロ・トゥ・ワン』先行公開(2)

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2014年9月18日(木)

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 「世の中のほとんどの人はXを信じているが、真実はXの逆である」──それを見つけることこそ、ゼロから1を生みだすビジネスを成功させる鍵だとティールは言う。彼のスタートアップ思考のエッセンスが詰まった『ゼロ・トゥ・ワン』プロローグと第1章の全文を掲載する。

はじめに~新しいものを生み出さなければ未来はない

 ビジネスに同じ瞬間は二度とない。次のビル・ゲイツがオペレーティング・システムを開発することはない。次のラリー・ペイジとセルゲイ・ブリンが検索エンジンを作ることもないはずだ。次のマーク・ザッカーバーグがソーシャル・ネットワークを築くこともないだろう。彼らをコピーしているようなら、君は彼らから何も学んでいないことになる。

 もちろん、新しい何かを作るより、在るものをコピーする方が簡単だ。おなじみのやり方を繰り返せば、見慣れたものが増える、つまり1がnになる。だけど、僕たちが新しい何かを生み出すたびに、ゼロは1になる。何かを創造する行為は、それが生まれる瞬間と同じく一度きりしかないし、その結果、まったく新しい、誰も見たことのないものが生まれる。

 この、新しいものを生み出すという難事業に投資しなければ、アメリカ企業に未来はない。現在どれほど大きな利益を上げていても、だ。従来の古いビジネスを今の時代に合わせることで収益を確保し続ける先には、何が待っているだろう。それは意外にも、2008年の金融危機よりもはるかに悲惨な結末だ。今日の「ベスト・プラクティス」はそのうちに行き詰まる。新しいこと、試されていないことこそ、「ベスト」なやり方なのだ。

テクノロジーは奇跡を生む

 行政にも民間企業にも、途方もなく大きな官僚制度の壁が存在する中で、新たな道を模索するなんて奇跡を願うようなものだと思われてもおかしくない。実際、アメリカ企業が成功するには、何百、いや何千もの奇跡が必要になる。そう考えると気が滅入りそうだけれど、これだけは言える。ほかの生き物と違って、人類には奇跡を起こす力がある。僕らはそれを「テクノロジー」と呼ぶ。

 テクノロジーは奇跡を生む。それは人間の根源的な能力を押し上げ、より少ない資源でより多くの成果を可能にしてくれる。人間以外の生き物は、本能からダムや蜂の巣といったものを作るけれど、新しいものやよりよい手法を発明できるのは人間だけだ。人間は、天から与えられた分厚いカタログの中から何を作るかを選ぶわけではない。むしろ、僕たちは新たなテクノロジーを生み出すことで、世界の姿を描き直す。それは幼稚園で学ぶような当たり前のことなのに、過去の成果をコピーするばかりの社会の中で、すっかり忘れられている。

成功者は方程式でなく第一原理からビジネスを捉える

 『ゼロ・トゥ・ワン』は、新しい何かを創造する企業をどう立ち上げるかについて書いた本だ。僕がペイパルとパランティアの共同創業者として、その後フェイスブックやスペースXを含む数百社のスタートアップへの投資家として、直接学んだことのすべてがこの本の中にある。その過程で起業には多くのパターンがあることに気づいたし、本書でもそれらを紹介しているけれど、この中に成功の方程式はない。そんな方程式は存在しないのだ―起業を教えることの矛盾がそこにある。どんなイノベーションもこれまでにない新しいものだし、「こうしたらイノベーティブになれますよ」と具体的に教えられる専門家などいないからだ。実際、ひとつだけ際立ったパターンがあるとすれば、成功者は方程式でなく第一原理からビジネスを捉え、思いがけない場所に価値を見出しているということだ。

 本書は、2012年にスタンフォード大学で僕が受け持った起業の授業から生まれた。大学で専門分野を極めても、広い世界でそのスキルをどう使ったらいいかまで学べる学生は少ない。僕はこの授業を通して、専門分野によって決まった路線の外にもっと広い未来が広がっていること、その未来を創るのは君たち自身であることを教えたかった。学生のひとり、ブレイク・マスターズが詳しく記してくれた授業ノートは、キャンパスをはるかに超えて拡散し、そのノートに僕と彼が修正を加えて、より幅広い読者向けにこの『ゼロ・トゥ・ワン』ができあがった。スタンフォードやシリコンバレーだけに未来を独占させていいわけがない。

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名和 利男 サイバーディフェンス研究所上級分析官