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オリンピックでもう一度「東京」をダメにする前に

『ニッポン景観論』/『新国立競技場、何が問題か』

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2014年10月22日(水)

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【私が編集した本読んで下さい!】

ニッポン景観論』アレックス・カー著
担当:集英社新書編集部 千葉直樹

 本書が刊行された直後、鎌倉の某所で「アレックス・カー 来日50周年パーティ」なる催しが開かれました。来日50周年ということは、東海道新幹線が開通し、東京オリンピックが開催された1964年に、アレックスさんは初めて日本へやって来たわけです。

 新幹線というインフラ、オリンピックというイベント。この2つは、日本の戦後復興→高度成長の、最も分かりやすい象徴です。欧米の先進資本主義国に追いつくために、この国は怒涛の勢いで国土を開発してインフラを張り巡らし、イベントを口実にして町並みを次々とつくりかえていきました。その過程を、アレックスさんの目はずっと見続けてきたのです。

 いまあらためて思うのは、本書は、そういったアレックスさんの「目」の記録だということです。新書判208ページというコンパクトな一冊ですが、ここにあるのは、長年にわたってアレックスさんの「目」に蓄積されてきたデータベースの精髄です。物見遊山で日本へやって来た外国人が、自国では見られない“珍風景”をカメラにおさめ、上から目線で嘲笑したり批判したり、といった類の本ではありません。

 50年という時間と、全国をくまなく歩いたフットワークと、日本の風景と文化への愛憎半ばする複雑なパッションが、写真と文章に込められているのです。カジュアルな体裁ですが、とんでもなく「濃い」一冊をつくることができた――そんな自負を、編集担当として抱いています。

文化研究者の目と、異邦人の目

 「目」というキーワードでつなげるならば、本書に通底するのは、アレックスさんが持つ二つの「目」です。一つは言うまでもなく、東洋文化研究者として日本の伝統や風土を深く愛する目。もう一つは、欧米の風景と文化の中で育った異邦人としてクールに日本を観察する目です。

 アレックスさんに同行して京都の町を歩くと、その二つの「目」が一瞬にして切り替わる様を目撃することになります。古書店の店頭で掘り出し物を漁っていたと思ったら、いきなりカメラを取り出して電線やヘンな看板を撮り出す。撮り終えると、今度は古道具屋の出物に目を留めてスタスタと店内へ入って行く。テレビカメラの映像がスイッチングで一瞬にして切り替わるように、アレックスさんの脳内カメラも一瞬のうちに切り替わるのかもしれません。

 いずれにしろ、日本を愛する目と異邦人のクールな目の両方があるから、本書にあるような問いかけが可能になるのだと思います。

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