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エスタブリッシュメントからは、ゼロイチは生まれない

『ゼロ・トゥ・ワン』/『ヒップな生活革命』

  • ザ・絶賛エディターズ

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2014年10月29日(水)

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【私が編集した本読んで下さい!】

ゼロ・トゥ・ワン 君はゼロから何を生み出せるか』(ピーター・ティール他著、NHK出版)
担当:NHK出版 学芸図書編集部 松島倫明

 あまり日本では認知されていないけれど、英米では編集者の職種の中でもいわゆる「アクイジション・エディター」なるポジションがあって、それは主にタイトルや著者を見つけてとってくる(acquisition)ことが任務となります。

 あまりそういった役割分担が明確化していない日本の出版業界の中でも、翻訳書の編集者は時にこのアクイジション・エディターであり、英米はじめ世界中の書籍タイトルの中からこれはと思う企画や著者に目をつけ、評価額を決め、オークションを闘いぬき、版権を取ってくることがそのパフォーマンスの要諦となります。

 僕はこのアクイジション・エディターになって早10年ですが、振り返ってみると獲得するタイトルの選択についてはジャンルとは別にいくつか自分なりの基準があります。

 そのひとつが、非エスタブリッシュメントであることです。

 つまり、誰もが知っている有名人や企業など、すでに成功した人物のものではなく、新しいパラダイムや価値観を提示し、挑戦している著者を選びたいと思っていて、それは、エスタブリッシュメントな著者の本はどうせ他の出版社が版権を取って刊行するし、有名な人ほど版権が往々にして高騰するから、という戦略的な理由もあります。

マフィアを率いるシリコンバレー伝説の男

 その点、今回ご紹介する『ゼロ・トゥ・ワン』の著者のひとりであるピーター・ティールは、一見、成功者の権化のように思えるかもしれません。オンライン決算サービスPayPalの創業者であり、これをeBayに売却したことで手にした多額の資金でベンチャーキャピタルとヘッジファンドを始め、同時にパランティアという新たなスタートアップを立ち上げて大成功を収めます。

 テスラモーターズのイーロン・マスクやLinkedInのリード・ホフマン、YouTubeの創立メンバーなど、PayPal創業期を共にした錚々たるメンバーたちとの緊密なネットワークはシリコンバレーで絶大な影響力を誇り、主要ビジネス誌でティールは「ペイパル・マフィアのドン」と評されます。

 シリコンバレーの外でも、フェイスブックの創始者マーク・ザッカーバーグを描いたデヴィッド・フィンチャー監督の映画「ソーシャル・ネットワーク」で、フェイスブックに最初に投資を決めた人物として描かれたほか、米HBOで放送されている人気コメディドラマ「Silicon Valley」ではティールをモデルにした登場人物がお茶の間を賑わすなど、サブカルチャーにも浸透しています。昨年の全米図書賞を受賞した『綻びゆくアメリカ』(邦訳はNHK出版)では現代のアメリカを重層的に象徴する主要登場人物の一人として描かれるなど、名実ともに今のアメリカを表徴するアイコンの一人だとも言えるでしょう。

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