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ワンコインで知る、放射線と福島のいま

『知ろうとすること。』/『いちから聞きたい放射線のほんとう』・『やっかいな放射線と向き合って暮らしていくための基礎知識』

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2014年11月5日(水)

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【私が編集した本読んで下さい!】

知ろうとすること。』早野龍五、糸井重里著/新潮文庫
新潮社新潮文庫編集部・古浦 郁

 福島の原発事故から3年半、あのとき何が起こり、その後、現地ではどのような取り組みがなされていまに至るのか。

 本書「知ろうとすること。」は、事故直後から、ツイッターで定期的に放射線に関する情報を送り続け、その後も現在に至るまで継続的に福島での現地調査と、当地での教育啓発活動を行っていらっしゃる東京大学の早野龍五先生と、コピーライターの糸井重里さんの対談本です。

 これを読んで下さる方のなかにも、震災直後から早野先生のツイートをフォローしている方は多いと思います。情報が錯綜するなか、セシウムが大気中から検出されたというニュースをもとに、原発の放射能漏れを推定した早野先生は、それ以後も多くのデータをまとめ、グラフにして客観的な情報発信を続けてこられました。

 対談ではまず冒頭に、事故から3年を経て、起こった事故に対して実際に人々が受けた被ばく量はとても低かったという調査結果が報告されます。

アカデミズムとジャーナリズムでは伝えきれない

 そして、その根拠として、福島県の給食のなかにどれだけの放射性物質が含まれているかを継続的に調べた陰膳調査や、体内の放射線物質を計測するホールボディカウンターによる調査結果など、放射線被ばくの状況を正しくつかむためになされた、早野先生の取り組みが、糸井さんとの対話を通じて、さまざまに紹介されます。

 あわせて、私たちの目に見えない放射線の特性についても、わかりやすい説明がなされます。放射性物質は種類によって様々な半減期をもつこと。放射線は被ばくというかたちで我々の細胞を傷つける一方で、X線やCTへの応用にみられるよう様々に活用され、自然界にも日常的に存在すること。さらには我々の肉体の組成にも、宇宙誕生時の原子の組み合わせと循環に由来する、微量の放射性物質が含まれていることなど、対話はときに壮大なスケールの話を交えつつ展開されます。

 放射線をめぐるテーマには大きくふたつの難しさがあると思います。

 ひとつは放射線そのものを理解することそのものの難しさ。そして、もうひとつは「放射線」ということばに対する様々な政治的な立場も含めた印象の濃淡。それらが入り交じりもつれあい、この問題にお互いに向き合うテーブルのありかはときに見えにくくなります。しかし、いくら議論が熱を帯びても、被害を受けた方たちの不安が置き去りにされることがあってはなりません。

 深刻な事故が起こり、実際に被ばくする方々を生み出してしまった。ただ、幸いにして、その事故は、当初予測された被害よりはるかに小さいと明確にいえる。それでも、例えば、農産物への風評被害が起こるのはなぜなのか。それを理解してもらうためには、学問的な知識や検査データを伝達することだけでは足りないのではないか……。

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牛島 信 弁護士