今月のビッグイシュー

【野球場】西武ドームは、埼玉の食の魅力満載!

野球場は最強のビアホール&大人のグルメテーマパークだ! Part4

文/写真:カンパネラ編集部 08.28.2014

非日常的な空間・野球場でビールとグルメを味わう。ちょっと違った視点で野球場を愉しむ本シリーズ、今回は西武ドームを訪問しました。
農業王国・埼玉の食が満載のこの球場を、全国の野球場グルメに詳しい放送作家・チャッピー加藤さんのナビゲートで紹介します。
また、西武ドームだけでなく、最近は球場が地域グルメを活性化させるケースが相次いでいます。その一例として、QVCマリンフィールド(千葉マリンスタジアム)や楽天Koboスタジアム宮城の取り組みについても触れていきます。

西武ドーム外観
西武鉄道の西武球場前駅

池袋から西武鉄道で約40分の西武球場前駅。駅前すぐに堂々とたたずんでいるのが、埼玉西武ライオンズの本拠地である西武ドーム球場です。

球団名に「埼玉」の名を冠する通り、2008年からより地域に根ざした球団経営を実施しているライオンズ。ドームでありながら、屋根とスタンドの間に通気スペースがあるため、球場には、外部の風と空気が流れ込みます。

周辺は、映画「となりのトトロ」の舞台のモデルになったと言われ、縄文時代からの遺跡や里山の風景を残す自然豊かな狭山丘陵。

「西武ドームは、自然環境共存型スタジアムなんです。ドーム球場なのに、この開放感がたまりませんよね」と、加藤さん。

西武ドームに来たら、野球とともに埼玉の魅力も満喫するのが吉。特にグルメは、近郊農業が盛んな埼玉県の新鮮な素材を活かした美味が盛りだくさん。

グルメワゴンに注目

「まずは、駅と球場の間に並ぶグルメワゴンが最高です!」

改札を出るとすぐ、グルメワゴンがズラリと並び、いい匂いが漂っています。

「あの宮木牧場が、行列のできる人気店です。オーナーの実家が牧場を経営しているので、美味しい肉をガッツリ食べられます」

オススメの国産豚ロース丼(730円)を注文。驚いたのは、豚ロース肉のやわらかいこと。タレの味もほどよくしみて上品。これならお年寄り、子どもでも食べやすい。もちろんビールにも合います。

カルビやタンの大串、肉巻きおにぎりも魅力抜群。球場内の一塁側にもお店があり、こちらも人気です。

少し離れたところに、またもそそるグルメワゴンが。

ここは、埼玉県熊谷市の中西ハムのウインナー盛り合わせを扱うワゴン。中西ハムは、創業65年。旧中山道の熊谷宿があった旧市街でハムをはじめとした加工食品製造を行う老舗メーカーです。

ウインナー盛りの10本入り(840円)を買ってみると、あらびき、ポーク、チョリソー、ロングウインナー、赤ウインナーといった5種類のウインナーの熱々がドーンと。齧ると、パリッという音が響き渡り、肉汁がジュワー。ボリュームがあるので、3、4人を同時に「口福」にしてくれる一皿です。もちろんビールとの相性は抜群。

他にも農業王国・埼玉らしいメニューがあちこちにありますので、ぜひ一度足を運んでみてください。

強豪ライオンズの歴史をまとめた一角も

「ここに来たら、リーグ優勝21回、日本一13回の強豪チーム、ライオンズの歴史を振り返ってほしいです」と、加藤さん。

西武ドームの右手に隣接する建物の1階にあるライオンズストア「フラッグス」は、グッズ販売スペースの他、ギャラリースペースを併設しており、優勝トロフィーや名選手のユニフォーム、栄光の歴史の写真をはじめとした記念品が展示されています。

そして優勝ペナント(フラッグ)も店内に飾っており、これが店名の由来になっています。生で見る本物の優勝ペナントは圧巻。この球場が、数々の伝説を生みだした「聖地」であることを思い出させてくれます。

「ライオンズファンでなくても、往年の熱いドラマを思い出させてくれる貴重な場所ですよ」と、少し目頭を潤ませる加藤さん。

野球ファンならぜひとも訪れてほしい場所なのです。ドーム前広場の入場券売場横にあるのは、選手プロデュース弁当の販売店「球弁」コーナーです。

岩手県出身の菊池雄星投手のプロデュース弁当、雄星弁当(1400円)を購入。弁当のフタを開けると、出身である東北の美味がたくさん。三陸産サーモンのフライ、山菜ごはん、笹かまぼこ、芋煮に欠かせない里芋煮など。

「若い選手が地方から出てきて頑張ってるんですよね。だから、こういう中身の弁当がたまりません」

これも選手の出身地という地域とのつながりを大切にしているグルメなのです。

そして、弁当と一緒に頼んだお茶が、地元・狭山茶のペットボトル。

西武ドームがある狭山・所沢エリアは、昔から茶どころで有名。中でも、所沢に本店を構え、製茶工場の設立が大正13年の新井園本店は、ローマ法王ベネディクト16世に新茶を献上したこともある老舗です。

ペットボトル「さやま茶」は、球場内の1・3塁側外周通路にある売店などで売られています。また、茶摘み娘姿の女性が、さやま茶ペットボトルと温かいお茶を売り歩く姿が見られます。

また、地元埼玉との各種のコラボイベントも多く、地域愛に満ちた、この感じが、西武ドームの魅力の1つのようです。

地域コミュニティの集い場としての球場

「西武ドームのいいところは、外野自由席が、レフト側・ライト側とも座席じゃなくて、ゆるやかなスロープに人工芝なんですよ。だから、花見や遠足のように、会社の同僚やご近所の仲良し家族が集まって、シートを敷いて試合見物を楽しめる。あれは、楽しいですよ」と、加藤さん。

野球場でありながら、地域コミュニティの絆を強める場としても西武ドームは機能しているのです。