ちょいコレ

料理のフルコース、子どもの反応が最高!(動画)

文:鶴野 充茂 10.30.2014

ニューヨークの高級レストランで子どもたちにフルコースを提供し、反応を見ようという動画が話題です。子どもたちの反応はもちろん、シェフたちの姿勢にも注目です。

米ニューヨークタイムズ紙がユニークな動画を制作・公開して話題になっています。ニューヨークの超高級レストランで小学生たちにフルコースを提供し、素直で率直なリアクションを見ようというものです。子どもたちの反応とともに、有名シェフが子どもたちを喜ばせようとする姿勢にも注目です。

超高級フルコースを堪能する小学生グループ!?

普通のテーマを普通にレポートするだけでは注目されない。特にソーシャルメディアにおいては、反応や反響の大きさが重要な成功の尺度。そんな状況に合わせた形でニューヨークタイムズのグルメ欄が制作した動画が今、話題になっています。

ストーリーは、ニューヨークの超高級フレンチレストラン「ダニエル」を地元の小学2年生6人が訪問する、という設定です。着飾った子どもたちが大人も羨むような7コースのメニューを一つひとつシェフの解説を受けながら口に運びます。コースの料金は一人あたり220ドルだそうです。

「なんだこれ」「どうしてナイフが2本もあるの?」

「これうなぎよ」「ヘビじゃない?」「ワア」

初めて体験する食材に驚き、慌て、慎重に少しずつ試して、そのたびに子どもたちは声を上げます。

「子どもたちには、今までに経験したことのない料理の様々な味わい、色とりどりの食材、食感や味の組み合わせを楽しんでもらいたいね」

自らの名を店名に冠したオーナーシェフのダニエル・ボウルド氏は自信に満ちた口調で語っています。

店内の雰囲気はまさにゴージャスそのもの。超高級店ならではの緊張感が漂う空間です。遠慮なく、容赦なく、大騒ぎしながら食事を楽しむ子どもたちの対比が鮮やかに描かれていて、見ているだけで楽しい気分になる動画です。

ご覧ください。

【Small Plates | The New York Times】

大人は説明を聞いて楽しむ

動画に出てくる子どもたちの反応を見ていると、食事の味わい方には大人と大きな違いがあることに改めて気づきます。

大人は料理の説明を聞いてから食事を口に運びます。高級店ほどその傾向が強いといえます。まるで料理の説明もその金額の中に含まれていて、先に“頭”で食べて、それから口に入れているかのようです。

それに対して子どもは、料理の見た目でまず目をパチクリさせ、顔をゆがめ、横からのぞいてみたり、持ち上げてにおいを嗅いでみたり、分解して中をのぞいてみたり。五感を総動員して料理に対峙しているといった様相です。

そして説明はほとんど聞かずに口に運ぶ。その後、全身で驚きを伝えます。

目で楽しむ、舌で楽しむ、というのはもちろんですが、子どもたちのリアクションを見ていると、大人による味わい方との違いが際だってきます。

イレギュラーな設定を試すと発見が多い

動画の中では、シェフのまなざしも注目点の1つです。

食後にシェフが「デザートも美味しかったけど、パスタも良かったでしょう?」と自信のメニューを聞くと、子どもたちは声をそろえて、

「あんまりー」

シェフは一瞬アレレッという表情を見せますが、すかさず「じゃ、今度はマカロニチーズにしてあげよう」と言うと、子どもたちは「イエーイ!」と喝采です。

動画の中にはタイやハマチ、和牛など和食の食材も登場しています。中でも子どもたちには和牛の評価が高くて、日本人としてはうれしいところ。

この動画を見ていると、思わず笑顔になってきます。その理由は、子どもたちの笑顔や驚きの表情に加えて、シェフの心意気によるところも大きいでしょう。

自分の料理で子どもたちを喜ばせようと知恵を振り絞っている様子が、シェフが発する言葉の端々から垣間見られます。また、子どもたちのパーティ気分を盛り上げようと帽子を用意したりして、シェフ自身が楽しんでいるのがよく分かります。

それを見ている視聴者側も楽しんでいます。人が楽しんでいる姿を見て楽しむ、というのもまた、大人ならではの楽しみ方かもしれませんね。

この動画は子どもたちが超高級レストランで食事する、というイレギュラーな状況設定だったわけですが、だからこそ子どもたちからはイレギュラーなリアクションが得られました。これによって、見ている側も様々な食の楽しみ方を再発見できたと言えそうです。

話題にできる世界の名作ネット動画、「ちょいコレ」でまた紹介しますね!

鶴野 充茂(つるの・みつしげ)
ビーンスター株式会社 代表取締役
カンパネラ「ちょいコレ」監修。ビーンスター株式会社 代表取締役。公益社団法人日本パブリックリレーションズ協会理事。コミュニケーションの専門家として、トップマネジメントやリーダーに情報発信やプレゼン、メディア対応についてアドバイスしている。 著書は、25万部超のベストセラー『頭のいい説明すぐできるコツ』(三笠書房)ほか『世界のエリートはなぜ次々とチャンスをつかむのか?』(宝島社)、『なぜ経営者は 「嘘つき」と言われてしまうのか?』(日経BP社)など二十数冊。日経ビジネスオンラインで「金曜動画ショー」、月刊「広報会議」でネット危機管理の連載 も持つ。