オジサンだけが知らない?主婦のブーム

なぜ人気の勢いが止まらない?『おにぎらず』の秘密

第14回:おつまみにも〆にもピッタリ、人気ブロガーによるレシピも紹介!

文:小林 孝延 04.16.2015

「おにぎらず」が今大人気。ご飯をにぎる「おにぎり」に対して、広げた海苔にのせて包むだけでにぎらないから「おにぎらず」。今回はおにぎらず人気の秘密と、おつまみにも〆にもぴったりのおにぎらずレシピを紹介します!

昨年秋に話題になってから、その勢いがいまだに止まらない「おにぎらず」。ご飯をにぎる「おにぎり」に対して、広げた海苔にのせて包むだけでにぎらないから「おにぎらず」。

そんなネーミングの楽しさもあってか、ちょうど秋のお弁当シーズンがはじまるタイミングで料理レシピサイトであるクックパッドのニュースで取り上げられた途端、一気に拡散しました。

その後、様々な出版社からおにぎらずのレシピ本が販売されましたが、それらはどれも販売絶好調。秋のお弁当シーズンを終え、春から新たなお弁当の季節がはじまるこのタイミングで再び大きな盛り上がりを見せています。

海老とアボカドのわさびマヨおにぎらず。「ぱおのおうちで世界ごはん」というブログを書いている料理ブロガーぱおさんによるものです

レシピのルーツは、料理をしないオジサンたちでも知っている講談社の「モーニング」誌の長寿連載漫画「クッキングパパ」。1991年刊行のコミック第22巻に収録されている、COOK.213「超簡単おにぎり おにぎらず」です。

話の筋をざっくり紹介すると、主人公である荒岩一味が、生まれたばかりの娘の世話で眠れない奥さんをサポートしていたところ、うっかり寝坊。長男の弁当を急いで作るために考案したのがおにぎらずという設定。作者のうえやまとち氏はITmediaに掲載されている産経デジタル記事『「おにぎらず」人気 「クッキングパパ」発の"握らない"おにぎり、20年以上経て脚光 「今ごろおいしさ伝わった」と作者』で次のように語っています(以下、こちらの記事より引用)。

発刊から20年以上経ってレシピが人気を集めていることに、うえやま氏は「今ごろおいしさが伝わったのかというのが正直な気持ち。インターネットの発達なども流行の要因なのだろうが、ほらうまいだろう、と思いながら投稿レシピを見ている」と得意げだ。

しかしながら、ここまでの大人気になった背景には、なにがあるのでしょう?ポイントは「手軽さ」「見た目の華やかさ」「おいしさ」だというのは、人気料理ブロガーたちの料理レシピをまとめた雑誌「レシピブログmagazine」(扶桑社ムック)の副編集長、池田裕美さん。同誌最新号「レシピブログmagazine vol.6 春号」では、料理ブロガーたちからおにぎらずの具材アイデアを募ったコンテストを実施。その優秀作を特集として掲載しています。

「どんなにメディア側が仕掛けても、実用性がないものはブームとして根付きません。主婦にとって料理は日常で、そのあたり非常にシビアです。そういう点で、おにぎらずはとにかく実用性が高い。にぎらなくていいから、熱々の炊きたてご飯をそのまま使えるし、具材を多めに入れられるからおかずを用意する必要がない。にぎらず包むだけなので不器用でも形がぴたっときまる。ご飯の量も少なめで作れてしまうので、ダイエットを気にする人にも最適でしょう。

さらに切ったときの見た目が華やかでおもてなしにも使えて、どこから食べても具に届くから子供でも食べやすいといいことずくめ。今回のコンテストでもたくさんの力作が届いて選ぶのが大変でした!」

と、主婦のブームに必要なのは、目新しさとおしゃれさに加えて圧倒的な実用性なのです。

ということで、レシピブログマガジンにも掲載されたおすすめのおにぎらずレシピをご紹介します。具材はチキン南蛮。こんなおかずが具材になってしまうのがおにぎらずならでは。行楽のシーズンにおすすめです!

考案してくれたのは人気ブロガーの小春さん(ブログページはこちら)。「宮崎県発祥の鶏肉料理、チキン南蛮をおにぎらずにしちゃいました。チキン南蛮は本格的なものじゃなくて、 ぱぱっと時短のレシピです 」

■おにぎらずチキン南蛮
人気ブログ「ぽかぽかびより」小春さんによる「おにぎらずチキン南蛮」

【材料(2個分)】
温かいご飯......茶碗2杯分弱
キャベツ......2枚
(A)しょうゆ、砂糖、酢......各大さじ2
赤唐辛子(輪切り)......少し
鶏もも肉(ひと口大のそぎ切り)...... 4~6切れ
塩、コショウ、片栗粉、薄力粉、ベーキングパウダー......それぞれ少し
サラダ油、タルタルソース......各大さじ2
焼き海苔(全型) ......2枚

【作り方】
(1)キャベツはせん切りにする。Aの調味料を合わせておく
(2)鶏肉は、軽く塩、コショウをふり、片栗粉、薄力粉、ベーキングパウダーをまぶす
(3)フライパンにサラダ油を入れて中火で熱し、鶏肉を焼く
(4)両面がカリッとしたら、キッチンペーパーで余分な脂を取り、Aを加えて煮からめる
(5)ラップの上に海苔を敷き、1/4の量のご飯をのせる。その上に(4)とタルタルソース、キャベツそれぞれ半量、さらにご飯1/4量の順にのせる。これを2つつくる
(6)ラップで包んで海苔を落ち着かせてから、ラップを外して半分に切る

切り口からのぞくチキン南蛮が華やか!ボリュームたっぷりでおにぎらずとの相性が抜群です!

不器用でもできるおにぎらず作りのコツは、

(1)ご飯を端まで入れすぎないこと
最後に風呂敷で包む要領で海苔を畳む部分を考慮して真ん中に平たくご飯を置くのがポイント。

(2)塩をふる
おにぎりの場合は手に塩水をつけるといったことをするので忘れないのですが、おにぎらずは熱々のご飯をジャーのお釜からそのままよそうことが多いので、塩をすぐに忘れちゃうんですね。でも具材が多めなので、万一忘れても問題ないです。

(3)具材は平たく。切り口をイメージして並べる
おにぎらずはサンドイッチのイメージでつくると失敗なし。ハム、チーズ、きゅうなど定番のサンドイッチの具材をのせるように平らに並べると、切った時に切り口がきれいです。

(4)海苔を畳んだらひっくり返してしばらくおく
海苔を畳んだら、裏返して綴じ目を下に。しばらくすればごはんの蒸気で海苔がしっとりして綴じ目がくっつきます。

(5)切るときは包丁を濡らして
半分に切るときは包丁を水で軽く濡らしてから切ると簡単です。また小さなお子さんやお年寄りなど、海苔をかみ切るのが苦手な人が食べる場合は、あらかじめフォークなどで海苔に細かく穴を開けておいて切りやすくしておくのもおすすめです。

おつまみとして、また〆の一品として、是非お試しください!

小林 孝延(こばやし・たかのぶ)
福井県出身。生活情報情報誌ESSE元編集長、現扶桑社第四編集局長。月刊『Outdoor』(山と渓谷社刊)編集長の後、アウトドア雑誌やムックを複数創刊。2003年に女性誌『天然生活』(地球丸刊)を創刊し「暮らし系」と言われるジャンルを生み出す。プロデュースした料理本『「ル・クルーゼ」だからおいしい料理』(平野由希子著)はグルマン・クックブック・アワードに入賞。料理ムック『とっておきシリーズ』は累計260万部を突破。2013年には日本最大のポータルサイト「レシピブログ」とコラボした雑誌『レシピブログマガジン』を立ち上げ話題に。フジテレビ「秘密の王子様」、テレビ朝日「お願いランキング」、関西テレビ「流行りんモンロー」など情報番組にもコメンテーターとして出演するほか、企業での講演のほか福井県立大学、京都精華大学等でも特別講義。
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