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崎陽軒のシウマイ弁当は、酒肴のフルコース!

永遠の定番弁当は、実は最高の酒肴:Part1

文:須田 泰成 / 写真:栗栖 誠紀 05.14.2015

日本を代表する駅弁の一つ、崎陽軒の「シウマイ弁当」。冷めても美味しいシウマイと具材のハーモニーは、ビールの季節に最高の酒肴(しゅこう)フルコースである。

ツイッター(Twitter)やフェースブック(Facebook)を眺めていると、東京駅や羽田空港から出かける際に崎陽軒のシウマイ弁当を購入して、スマホで撮った写真をアップする人を毎日のように見かける。アップする人には、いわゆる有名人も少なくない。そして幾度となくアップを繰り返すリピーターも多い。

実は、筆者も20年来のシウマイ弁当ファン。東京駅から出張に出かける際は、必ず、これと缶ビールだ。

ビールの美味い季節になってきた。今回から3回にわたり、定番弁当とお酒の深い魅力に迫る。どうして崎陽軒のシウマイ弁当は、クセになるのか? ロングセラー商品、崎陽軒シウマイ弁当が備える魅力の秘密を探っていく。

冷めても美味しいシウマイという奇跡

崎陽軒横浜工場

シウマイ弁当の秘密を知るために訪れたのは、崎陽軒横浜工場。広報の素敵な女性社員さんが案内してくださることに。

崎陽軒の歴史のVTRを見た後で、シウマイ工場へ移動した。工場に入ってすぐのところに、シウマイの材料の展示があった。

ガラスケースに材料が展示されていた。その数は、9種類。


  1. 豚肉
  2. タマネギ
  3. 干しホタテ貝柱
  4. グリーンピース
  5. コショウ
  6. 砂糖
  7. でんぷん
  8. 小麦粉(皮用)

「なるほど。この材料でシウマイが作られているのか」と、納得しかけたものの、眺めているうちに、次第に拍子抜けするような感覚にとらわれてきた。

「材料は、たったこれだけなんですか?」

そんな言葉が、思わず口をついて出てしまった。20年も食べ続けている深い味わいのシウマイが、こんなにシンプルなレシピで作られているとは、にわかに信じがたかったのだ。

案内の女性社員さんが、答えてくれた。

シウマイに使われている干しホタテの貝柱

「はい。このレシピは発売当初から変わっていないのです。冷めても美味しい旨味(うまみ)の秘密は、オホーツク海産の干した丸いホタテの貝柱を一晩水につけて戻し、それを出汁(だし)が染み出た戻し汁と一緒に加えているところにあります」

材料展示のすぐ先に、シウマイの生産ラインの見学窓があった。覗いてみると、肉とその他の材料が混ぜられた練り肉が旨そうにプルプル揺れながらシウマイの成型器に流し込まれていた。

シウマイの製造ラインの様子

練り肉を眺めるだけで、おなかが鳴ってくる。豚肉とタマネギにプラス、干したホタテの旨味と聞くだけで、間違いない。この練り肉をそのままフライパンで焼いて食べてしまいたいほどの美味なるピンク色だった。

「厳選した材料を使っていますので、安心して召し上がっていただけます。グリーンピースも具に練り込まれているので、子どもたちも嫌がらずに食べてくれるんです」

余計なものが入らない自然な旨さは、飽きがこない味。ロングセラーの理由は、シンプル・イズ・ベストにあった。

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