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震災やタイ洪水で改めて浮き彫りになった日本の課題

「狩猟民族」的な思考を取り入れた、海外戦略の大胆な転換を

  • 石川 香苗子

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2011年12月26日(月)

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 東日本大震災に続いてタイの大洪水でも起きた操業停止の連鎖。東京電力福島第1原子力発電所の事故で崩れ去った安全神話、そして広がる日本企業の技術力への不信……。

 この2011年ほどモノ作り立国としての日本の威信が揺らいだ年はかつてないだろう。こうした事態を契機として日本企業が次に目指すべきものは何か。それは従来のモノ作り立国への回帰ではなく、新たな強みの構築ではなかろうか。

 モノ作り偏重から脱却した先に築くべき日本企業の新たな姿とは──。論客へのインタビューを通して模索していく。

 2回目の今回は、中国をはじめアジアの新興国の産業動向に詳しい横井正紀・野村総合研究所上級コンサルタントが、日本の企業や政府が現状の閉塞から脱却するために必要な思考法の転換について提言する。

(取材構成は、石川香苗子=フリーライター)

── 東日本大震災に続いてタイの大洪水でも日本企業が製品の生産を停止する動きが広がり、日本のモノ作りのあり方が問われています。見直しの方向として、部品の標準化を進めて、生産拠点をもっと分散させるべきと主張する声が多いようですが、どう見ていますか。

横井:そのような見直しを図るのは悪いことではないと思いますが、実際にやろうとすると、「進出先に技術が流出して、競争力が低下してしまう」といった異論が出て、進まないところが多いのではないでしょうか。

 異論が出て事が進まなくなってしまうのはなぜか。それは、「何が自社の競争優位な技術なのか」、「何が守るべき技術なのか」、そして 「何を日本に残すべきか」ということを突き詰めていないからです。

 日本企業は、国内外で生産の分散化に取り組む前に、「これからの主力事業は何か」、「将来の主力製品はどれか」を見極め、何を自社に残し、何を外に出すべきなのかを考える必要があります。こうした検討を行ったうえで明確な方向を打ち出さないから、実行の段階で異論が噴出し、前進できなくなってしまう。

ほかの先進国の後塵を拝している日本の実像

 「何を残すべきか」という命題を考えなければならないのは、企業だけではありません。日本の政府も同様です。

 TPP(環太平洋経済連携協定)の交渉参加を巡って、日本という国のあり方が問われてもいます。従来通りに、「モノ作り立国」の旗を掲げ続けていくのかどうか。東日本大震災やタイの大規模洪水を受けて、モノ作りのあり方を見直す機運が高まっている今を、この問題を真剣に考える機会にすべきしょう。

 ここで日本の現在の立ち位置を確認しておきましょう。モノ作りには新興国がどんどん進出してきています。一方で、欧米の先進国はモノ作りでもサービスやアプリケーションの方に軸足を移している。例えば、モノを単純に売るのではなく、オペレーションやメンテナンス(O&M)を組み合わせてモノを供給する体制を整えることは、その一例でしょう。

 24時間365日ノーメンテナンスで故障がないことを売りにする日本企業のモノに対する意気込みは素晴らしいものがあります。しかしこのような商品は価格も高く、新興国には受け入れにくいのも事実です。欧米の企業は、新興国の価格水準でモノを作り、あとはO&Mというサービスを付帯することで、「モノ売り」の概念を変えてきています。

 日本はまだモノ作りの先頭に立っているように見えますが、異なる角度から眺めると、サービスやアプリケーションへの組み合わせに立ち遅れ、ほかの先進国の後塵を拝していることになります。このような中途半端なポジションのままでいいのでしょうか。

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