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「選挙制度が諸悪の根源は間違い」

第2回飯尾潤・政策研究大学院大学教授に聞く

2012年1月10日(火)

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今の機能不全の政治は、現行の「小選挙区比例代表並立制」に原因がある――。政界などではこうした見方から選挙制度を変えるべきとの声が強まっているが、飯尾潤・政策研究大学院大学教授は変更した場合の弊害を指摘。「何でも選挙制度のせいにしてはいけない」と、より根源的な問題の改革を主張する。

(聞き手は安藤毅)

――衆参で「1表の格差」是正に向けた議論だけではなく、選挙制度の抜本改革をすべきとの主張が出ているが。

飯尾:最高裁で違憲状態と指摘された以上、一票の格差是正は急がねばいけない。その上で、衆院と参院とで分けて考え、しかも、同時に改革するのが望ましいだろう。
 選挙制度を考慮する際の要素は3つある。
 1つは、小選挙区制とか比例代表とか、制度そのものをどうするのか、という点。
 2つ目は、全体の議席数や、比例、小選挙区の組み合わせの比率をどうするかという点。
 3つ目は、比例などでどのように得票数を下に、議席を確定させていくかという点だ。

飯尾 潤(いいお・じゅん)
1962年、兵庫県生まれ。86年東京大学法学部卒、92年同大学院法学政治学研究科博士課程修了。埼玉大学大学院政策科学研究科助教授などを経て、97年政策大学院大学助教授、2000年教授。専門は政治学、現代日本政治論。政府の東日本大震災復興構想会議の検討部会長を務めた。著書に『日本の統治構造』(中公新書)など。
(写真:都築雅人)

 私は、衆院は政権選択の場とし、参院は審議できる能力や経験がある人物を選択できる仕組みにすべきと考える。結論的には、衆院は現在の「小選挙区比例代表並立制」の根幹は維持すべきだろう。
 政権選択の場とする以上、政党を中心に動くことが重要になるが、単純比例にすると、有権者は人物を選んで投票できなくなる。
 政治家を育てていくには、小選挙区があったほうがいいと思う。そうなると、今の制度からはあまり変えられない。
 しかも、きちんとした政権を作るには、衆院は選挙での勝ち負けがはっきりしたほうがいい。民主党の失敗は、連立を組み、少数政党に振り回されていることだ。
 仮に衆院の選挙制度を変えると、権力の集中が足りなくなり、政権は一層弱くなるだけだ。


変えるべきは参院の選挙制度

――参院の選挙制度はどうすべきか。

飯尾:大幅に変えるべきだ。人物本意で、小党も活躍可能なものにするため、比例代表で1期限りとしたり、全国をブロックごとの大選挙区に再編したりすることはありうるだろう。
 ところで、選挙制度も問題だが、今の政治停滞の原因は、選挙制度によるものではほとんどない。

――というと?

飯尾:衆参で多数派が異なる「ねじれ国会」において、参院が強すぎることが問題の本質だ。
 野党に転落した自民党は、本来は自分たちがまた政権に戻った際に同じ構図に困らないように参院改革の提案をしていくべきなのに、ひたすら政権の足を引っ張ってばかり。
 どうせ、今年の通常国会では赤字国債発行法案を人質にして野田内閣を追い込もうとするのだろうが、仮に政権を奪還しても、その後、今度は民主党側からしっぺ返しをされることは目に見えている。こうした衆参関係の整理に手を付けない限り、政治の混乱は続きかねない。

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「「選挙制度が諸悪の根源は間違い」」の著者

安藤 毅

安藤 毅(あんどう・たけし)

日経ビジネス編集委員

日本経済新聞社で経済部、政治部などを経て2010年4月から日経ビジネス記者。2012年4月から現職。政治、経済政策を中心に執筆している。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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