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時流に惑わされず独自の戦略を描け

経営学の第一人者たちが示す日本企業の針路

2012年1月4日(水)

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 円高、少子高齢化による国内市場の縮小など、企業の経営環境は厳しさを増している。そうした中で、2012年に日本企業はどんな戦略を構築し、どうやって実行に移していくべきか。日本の経営論壇をリードし、「ポーター賞」審査委員を10年にわたって務めた石倉洋子・慶応義塾大学教授、金井壽宏・神戸大学教授、國領二郎・慶応義塾大学教授、藤本隆宏・東京大学教授の4人の経営学者が、受賞企業の変遷をたどりつつ、日本企業の今後の針路について論じた。

(構成は、中野目 純一=日経ビジネス記者)

司会:まずは2001年にポーター賞が創設されてから、10年にわたって審査に当たった中で、印象に残っている企業を挙げていただけますか。

金井 壽宏氏
神戸大学大学院経営学研究科長・教授(写真:菅野 勝男、以下同)

金井:私が挙げたいのは、2008年に受賞した東海バネ工業ですね。社名が広く知られている大企業が応募している中で、こうした戦略に優れた中小企業を見逃すことなく表彰できたのは、審査委員の1人として良かったと思います。

 また東海バネ工業は従業員を大切にして人材育成に注力し、次代を担う人たちをしっかりと育てている。リーダーシップやキャリアを研究している自分の専門の見地からしても、こうした企業をしっかりと評価できた点はうれしいですね。

 逆に言えば、いくら戦略が優れていても、そこで働いている人たちが元気を失っていたり疲弊していたりしたら、「これはいかがなものか」と思う。ほかの受賞企業でも、良品計画やファーストリテイリングなどの従業員は、良い商品を売っているというプライドを持って生き生きと働いています。

光る中堅・中小企業を表彰

藤本:私は2007年に受賞したデニム製造卸売業のカイハラですね。実際に訪問していますが、明治時代(1893年)に備後絣の手織り藍染め業として創業した同社は、戦後にはそれを洋服の生地に転用するも失敗します。しかし、そこからがしぶとい。

 1960年代後半に同じ藍を使うジーンズに着目し、その生地であるデニムの生産を始めました。設備も内製で原綿を買っての一貫生産ですが、作業は布までで、米半導体メーカーのインテルに近い位置取りです。国内外の一流ジーンズメーカーに高付加価値のデニムをノウハウ付きで販売し、数百人の従業員はほとんど正社員ですが、利益も出している。繊維産業でもここまでできます。

國領:私は、2006年に中古書籍販売業のブックオフコーポレーションと中古車販売業のガリバーインターナショナルが同時に受賞したのが印象に残っています。どちらも、消費者が売り手として重要な役割を演じるという従来にはなかったビジネスモデルで成長した企業で、時代の変化を感じました。

ポーター賞とは・・・

一橋大学大学院国際企業戦略研究科が、競争戦略論の世界的第一人者であるマイケル・ポーター米ハーバード大学教授の名を冠して2001年に創設した。毎年、公募に応じた国内の企業や事業から、独自性があり優れた戦略を実践し、業界他社と比較して高い収益性を達成している企業や事業を選んで表彰している。

海外移転の加速は危険

金井:松井証券やアスクル、トレンドマイクロなどのベンチャー企業や、堀場製作所のようにかつてはベンチャーだった企業。さらには、会社更生法の適用を申請して倒産した後、斉藤定一氏(現会長)の下でプロジェクターランプに特化して再建を果たしたフェニックス電機のように、「中興の祖」が事業転換を成し遂げて再生した企業まで受賞している点も興味深い。

 「日本には起業家がいない」とよく言われますが、それに対する反証としても、これらの企業を表彰したことは有意義なことでしょう。

石倉:私も堀場や日本電産というベンチャーからスタートした京都の企業は印象に残っていますね。やはり戦略がはっきりしている。やるべきことを徹底してやる一方で、やるべきでないことには一切手を出さない。

コメント4件コメント/レビュー

結局ピーターの法則ではないですが、昇進システムに問題があるのですな。給料UPか報いる為かする為に、管理経営側に回る。そこで必要とされる能力はそれまでと違うので、適材適所から大概は最終的に外れる事になる。現場と経営陣への要求能力は違う。IT業界ではないが、違うものに対して上と下が何故かあり、そこで不幸が起こる。あとは上は高い給料取るなら責任を取る所までやって貰わなければ。今の日本では下に責任も押し付けるので給料は能力と責任に対して貰いすぎである。これは子、孫受けや親子会社に対しての関係も同じ。間で金を取るなら相応しい仕事と責任を。この辺で日本では無駄に高コストになっているので競争力が無いのだ。(2012/01/05)

「新春スペシャル座談会」のバックナンバー

  • 2012年1月4日

    時流に惑わされず独自の戦略を描け

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「時流に惑わされず独自の戦略を描け」の著者

中野目 純一

中野目 純一(なかのめ・じゅんいち)

日経ビジネス副編集長

2012年4月から日経ビジネス副編集長。マネジメント分野を担当し、国内外の経営者、クリステンセン、ポーター、プラハラードら経営学の泰斗のインタビューを多数手がける。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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結局ピーターの法則ではないですが、昇進システムに問題があるのですな。給料UPか報いる為かする為に、管理経営側に回る。そこで必要とされる能力はそれまでと違うので、適材適所から大概は最終的に外れる事になる。現場と経営陣への要求能力は違う。IT業界ではないが、違うものに対して上と下が何故かあり、そこで不幸が起こる。あとは上は高い給料取るなら責任を取る所までやって貰わなければ。今の日本では下に責任も押し付けるので給料は能力と責任に対して貰いすぎである。これは子、孫受けや親子会社に対しての関係も同じ。間で金を取るなら相応しい仕事と責任を。この辺で日本では無駄に高コストになっているので競争力が無いのだ。(2012/01/05)

空気を読む経営者たちが日本をだめにしてきたのですな。皆で同じようなことをするから、皆でダメになる。太平洋戦争の軍部そのものですね。(2012/01/04)

日本の製造業は、中間財を残して「流出」すべき。結局の所、日本企業が作るような消費財では価格競争に陥らざるを得ず、輸出すればするほど貧困を輸入することになる。賃金の低下は、本稿で指摘されている現場の強みを削ることにつながる。(2012/01/04)

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