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“敵対の政治”は想定外

第3回成田憲彦・駿河台大学教授に聞く

2012年1月11日(水)

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「小選挙区比例代表並立制」の導入を柱とする「政治改革」。当時、細川護煕内閣の首相秘書官としてこの実現に深く関与した成田憲彦・駿河台大学教授は今、政権交代の実現を評価する一方、「想定していなかった事態が起きている」と語る。選挙制度改革論議では、「どんな政治体制を作るべきなのか、という視点から考えることが重要」と指摘する。

(聞き手は安藤毅)

――現行の「小選挙区比例代表並立制」を導入した細川護煕内閣で首相秘書官を務めた立場から、まずは現在の政治状況の評価をうかがいたい。

成田:今の衆院の選挙制度が導入された際に一番の狙いとされたのが、政権交代可能な政治ということだった。

 戦後長く続いてきた中選挙区制での政治は、高度成長の果実を補助金や公共事業の形で分配し、総中流化につなげる「分配の政治」だった。
 それを可能にするため、政治家の政治活動はきめ細かくなり、利権構造が確立していった。

成田 憲彦(なりた・のりひこ)
1946年札幌市生まれ。1969年東京大学法学部卒、国立国会図書館へ入館。国会図書館調査局政治議会課長を経て93年8月に細川護煕内閣の首相秘書官に就任。「小選挙区比例代表並立制」導入を軸とする政治改革に関わった。95年から駿河台大学法学部教授。野田佳彦内閣の発足後、内閣官房参与に就任し、野田首相への助言役を務める。著書に「官邸」(講談社)など。
(写真:都築雅人)

 ところが、右肩上がりの経済が終焉し、分配の政治も基本的に終りを告げ、年金やTPP(環太平洋経済連携協定)といった政策を選択する時代に入った。
 そうした政策をパッケージで選択するために最もふさわしいシステムが何かと言えば、政権交代だ。政権交代で政策が変わっていくというのが、民主主義の在り方として適切だ。
 自民党に代わりうる中道から保守の性格を帯びた民主党という政党が形成され、政権交代が実現した。1990年代の「政治改革」時に描いた構図は実現したといえる。

――とはいえ、現状には「政治が機能不全になった」といった批判が出ている。

成田:2つのことを指摘しなければいけない。1つは、本来は、選挙制度改革に続き、国会改革や参院改革などが行われるはずだったのに、実現しなかったということ。

 2点目は、政治改革時に想定していなかった事態が起きたことだ。その最大のものが、衆参の「ねじれ」現象だ。そして、足の引っ張り合いになる“敵対の政治”に陥りやすい小選挙区の悪弊が懸念はされていたが、現実のものになってしまった。

「ねじれ」解消に国会改革を

――「ねじれ」解消にはどのような方策を取るべきなのか。

成田:時間がかかる憲法改正以外の対応策としてまず考えられるのは、衆参同日選挙の実施だ。制度的にこれを決めてしまう手はあるが、首相の解散権を縛るという問題がある。

 そうなると、国会改革と選挙制度改革という2つの手段が考えられる。

 国会改革については、具体的には両院協議会制度の改革をすべきだろう。
 現在は、各院の多数意見を構成した会派から10人ずつを選び、3分の2以上が合意すると成案になるが、これではハードルが高すぎる。
 衆院から出ている協議委員の過半数と参院の協議委員の過半数が賛成する案ができれば、これを成案とすることに変えるべきだ。

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「“敵対の政治”は想定外」の著者

安藤 毅

安藤 毅(あんどう・たけし)

日経ビジネス編集委員

日本経済新聞社で経済部、政治部などを経て2010年4月から日経ビジネス記者。2012年4月から現職。政治、経済政策を中心に執筆している。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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